【石川一雄さんは無実です。ただちに再審開始を】

24歳で逮捕された石川さん(左)。事件から58年が経過し、83歳になった今も無実を訴え続けている。

 事件発生から半世紀以上が経過した今も犯人とされた石川一雄さんは無実を訴えつづけています。他のえん罪事件でも様々な証拠ねつ造が明らかになっていますが、狭山事件でも「万年筆」をはじめ多くの疑惑の証拠が存在しています。私たちは狭山事件のすべての証拠の開示、証人尋問・事実調べ、裁判のやり直しを求めています。

 2010年の三者協議ではじめて証拠が開示され、2022年9月の第51回までに多くの証拠が開示されてきました。


弁護団は開示された証拠を分析し255点の新証拠を提出し、石川さんが犯人ではありえないことを証明しています。2018年には「獄友」の仲間である桜井昌司さん、菅家利和さんとともに現地調査を行い、石川さんの無実を確信しました。密室の取り調べで「認めれば10年で出してやる」とウソの自白を自供させられた石川さん。自白に沿って問題点を紹介します。ぜひ無実の証拠をご覧いただき、狭山事件の再審闘争へのご支援をお願いいたします。活動内容メディアで取り上げられたものも順次掲載していきます。
 ※このHPに掲載する画像は弁護団提出の鑑定書に掲載されているものも含まれており、無断での転載を禁止させていただきます。


【最新情報】

石川一雄さん メッセージ

 

諺に「桐一葉(きりひとは)」といって、昔の人たちは、桐の葉が一枚落ちるのを見て、秋の気配を感じたそうですが、私の場合、秋を何十回迎えたであろうと思い返すと()()()い気持ちに駆られることは否定できないまでも、その事は禁句とし、近年では寿命が百年時代に突入といわれており、だとすれば、私はまだ十六年余りあるわけですが、新型コロナ感染拡大の関係で、今は家の中に居ることが多く、新聞,機関誌等に目を通していると不倶戴天(ふぐたいてん)の心境は払拭できませんが、今は兎に角、再審闘争に重点をおき、自分の逸(はや)る気持ちを抑えて闘いに専念しています。

当時、如何に無知とはいえ、警察の罠に嵌(はま)ってしまった自分自身に毎日が自責の念で一杯乍ら、冤罪を晴らすのに、このように長い年月が必要だとは想像もできませんでした。

この10月には寺尾不当判決48カ年糾弾集会が全国各地で開催され,然もコロナ禍の終息しない中での集会であるだけに、ただ只管(ひたすら)に大変申し訳なく、またご迷惑をおかけし、相済まない気持ちで一杯です。

 然し一方、先般弁護団は、私の無実を明らかにする新証拠を作成した科学者や、元科捜研技官など専門家11人の、鑑定人尋問の必要不可欠性を求めた事実取り調べ請求書を東京高裁第4刑事部に提出しました。それらを裁判所が如何に重く受け止め、採否を判断するかに、私の生死がかかっているわけです。

想えば科警研の鑑定では私方から発見された万年筆のインクと被害者のインク瓶のインクの同一性を否定されていたにも拘わらず、科警研の鑑定は証拠として調べられることなく、確定判決もインクの違いに触れないまま誤判を招いてしまったのではないかと思われます。考えてみれば、常識的に有り得ないのです。例えばNさんは、本件の起きる一週間前頃、被害者にインク瓶を貸したが、入れるところは見ていないと供述しており、何よりも事件当日被害者が書いた日記、授業中に書いた浄書を含め、一貫してジェットブルーのインクを使用していた被害者が、わざわざ当日、異なるインクを補充する訳がないのです。

 

 

 

そういう意味で蛍光X線分析によるインク鑑定をはじめ、弁護団が請求している11人すべての鑑定人について証人尋問をおこない、裁判所は、大局的見地に立って、単に検討するのではなく、事の理非を熟慮され、法の(もと)の平等の原則に基づいて裁判所が職権で持ってインクの違いについて鑑定して頂くことが公正な判断と確信しております。

私・石川一雄が、この先、30年、50年と生きられる訳ではありませんが、調べ官の陥穽に落ち、無実の罪で59年間も、苦悩し、83歳の今も、冤罪を晴らす闘いの日々を送っていることを裁判官にご理解して頂き、何としても鑑定人尋問と職権鑑定をして、真実を明らかにしていただきたいと願っています。

支援者皆様方には、裁判所に対し、弁護団請求の鑑定人尋問をし、もしくは自ら職権で鑑定されるよう声をあげてくださるよう心から願っております。

 

生死(せいし)()堅固(けんご)豪傑(ごうけつ)(さん)()(のぞ)み 司法(しほう)正義(せいぎ)無罪(むざい)判決(はんけつ)

 

(ほうき)せず慰藉(いしゃ)(われ)後押(あとお)しされ 科学(かがく)(あば)驚天動地(きょうてんどうち)

 

2022年10月

                           石川 一雄

寺尾不当判決48ヵ年糾弾

狭山再審要求集会参加各位

 

桐一葉(きりひとは)・・・・・・桐の葉が落ちるのを見て秋を知ること

堅固豪傑(けんごごうけつ)・・・意志が強く度胸のすわった人

慰藉(いしゃ)・・・・・・・・・なぐさめ助けること

棄(ほうき)・・・・・・・・・投げ捨てる

驚天動地(きょうてんどうち)・・世間を非常に驚かせること

 

 



狭山の事実調べ実現へ向け署名を呼び掛け  HRCビルで緊急集会

 現在、狭山再審実現に向け、東京高裁に事実調べの実施を求める緊急署名行動を展開しています。大阪でも一人でも多くの人へ現状を伝えようと関係団体などへオルグ行動を展開し署名の協力を呼び掛けてきました。
 2022年9月28日には「HRCビル狭山事件11人の鑑定人尋問実現へ緊急集会」を開催し、HRCビル関係団体へ署名の呼びかけとともに11月の府民集会、10月の街宣行動もあわせて報告し、何としても第三次再審で終結するために協力を呼びかけました。集会には署名運動に協力をもとめるために中央執行部の役員が全国各地へ飛び回り緊急署名の依頼をおこなっていることから中央本部の坂本三郎副委員長が参加し、狭山事件があることを知った時の衝撃や現地調査で石川さんが犯人ではないと確信した当時を振り返り、「狭山事件は大きな山場にきている。第三次再審で終わらせるためにも共にがんばっていこう」などと呼びかけました。

 


11人の鑑定人尋問実現をめざし、「東京高裁に事実調べを求める緊急署名」運動を展開します。今年12月末までに全国で20万人署名を目標にとりくみます。

狭山事件の再審を実現し、石川一雄さんの無罪判決を実現するためにも、大阪においても様々な署名運動や街宣など世論喚起の運動を展開します。つきましては、一人でも多くの方に署名を呼び掛けるためにぜひご協力いただきますようよろしくお願いします。また、署名の他に狭山再審実現へ向けて街宣行動や府民集会を予定しています。多くの参加を募っています。


10月24日、25日に狭山街宣行動

 石川さんの無罪を勝ち取るため鑑定人尋問実現へ世論喚起のため街宣行動を展開します。

日程:10月24日(月)午後6時30分 場所:
JR茨木駅・JR和泉府中駅
日程:10月25日(火)午後6時30分 場所:JR天王寺駅・近鉄八尾駅


事実調べを求め20万人署名行動を 狭山住民の会 2022/9/9

 拡大全国狭山活動者会議狭山住民の会全国交流会が9月9日にエルおおさかで開かれた。

 狭山弁護団は8月29日に東京高裁に事実調べ請求書を提出し専門家11人の証人尋問を求めた。東京高裁は弁護団が求める鑑定人尋問及び万年筆インクについての鑑定を実施するよう、世論を高めるために20万人署名を目標に「東京高裁に事実調べを求める緊急署名」に取り組んでいくことなどを確認した。

 

 石川一雄さん早智子さんはビデオメッセージで挨拶。

 石川さんは「50年近く無実を訴えているがいまだに事実調べ再審開始決定が出されていない。

弁護団の新証拠を元に今回鑑定人尋問を請求した。なんとしても尋問をしていただきたい。裁判官が判断しない限り殺人犯というレッテルを剥がすことができない」と述べ、三者協議によって190点をこえる証拠が開示された。その中でも取り調べの録音テープが開示されたことについて石川さんは「犯人ではないので警察官にどのようなことをやっていたかを話していたが録音には入っていなかった。(顔見知りだった)関巡査に「(被害者を)殺していないのでどのような殺し方をしたか教えてください」と言ったら関巡査は「後で刑事に聞いたらいいじゃないか」と言われ、警察官の誘導に基づいて自白に至った経緯が残されていると述べ「11人全ての鑑定人尋問していただきたい。全国の皆さんには最後のお願い。三次で集結していただきたい。来年初めに裁判官が結論を出すと思うが事実調べ再審開始決定鑑定人尋問を実現させるために支援をお願いしたい」と訴えた。

早智子さんは「これからの方向を決定づける重要な時期を迎えた。裁判所に鑑定人尋問をさせる闘いをみなさんにおこなってほしい。来年は事件から60年。再審開始を実現したい」などと述べた。

 

「事実取り調べ請求(鑑定人尋問)について」狭山弁護団事務局長の中北龍太郎弁護士が狭山弁護団報告をおこなった。

 11人の専門家は狭山事件の確定判決(東京高裁の無期懲役判決(寺尾判決)1974年1031日)があげた有罪証拠となる脅迫状の筆跡、しきじ能力、指紋、足跡、スコップ、血液型、目撃、音声、万年筆、自白、殺害方法、死体処理について石川さんが犯人でないことを証明する鑑定書を作成した科学者、専門家の皆さん。

弁護団は11人の鑑定人尋問の他に下山第二鑑定についても裁判長の鑑定を請求している。

2018年に提出した下山第二鑑定では事件当日に被害者が授業中に万年筆でノートに書いた文字と石川さん宅で3度目の家宅捜索で発見された万年筆で書いた文字などを分析し、発見万年筆にはインク固有の元素であるクロムが検出されたが、被害者が使用していた万年筆からはクロムが検出されなかったことを蛍光X線分析で明らかにした。それに対して検察官はいまだ科学的な反論をおこなえず検察官の批判が意味のないものであり、下山第2鑑定の結果が正当であることが第3者による蛍光X線分析で明らかになるとしている。  

 中北弁護士は「裁判所に提出した書類には11人の鑑定人の実名を出しているが鑑定人があらゆる影響を受けないようにマスコミには匿名で発表している」と11人の鑑定人尋問の証拠内容について説明を行った後、「今後は検察官から意見が出る予定だが内容によっては弁護側が再度意見書を提出するかもしれない。尋問を行うことができれば尋問結果を踏まえて最終意見を双方が出す。一歩一歩事実を確認しながら前進していくしかない」などとのべた。

 

基調提案を片岡明幸・狭山闘争事務局長が報告し、「第三次再審が始まり16年を迎え、集大成として最後の決戦に挑んでいきたい。世論を高めるために東京高裁に事実調べを求める緊急署名を呼びかけていく。署名用紙は部落解放中央本部のホームページからでもダウンロードができる」などと述べ以下の取り組みを確認した。

 鑑定人尋問実現に向けた全国一斉要請行動を展開する。期間は9月25日から10月7日までで中央本部3役を中心に各都府県連や連帯団体へ要請を行う。

 10月28日13時から狭山事件の再審を求める市民集会を日比谷野外音楽堂で開催する。

 全国各地で狭山学習会や署名行動などを呼びかけていく。

 

閉会挨拶を赤井隆史中央書記長が報告。集大成の取り組みが鑑定人尋問実現するかどうかの分水嶺の闘いに来ている。共闘、住民の会などと結集し取り組みを進めよう。


鑑定人尋問おこなえば無実は明らか第51回三者協議 2022/9/1

第51回三者協議が2022年9月1日に東京高裁でひらかれました。東京高裁第4刑事部の大野勝則裁判長と担当裁判官、東京高等検察庁の担当検察官、弁護団からは、中北事務局長、青木、竹下、高橋、小野、河村、平岡、小島、山本、近藤の各弁護士が出席しました。 

三者協議後に、裁判所内の司法記者クラブで、弁護団と再審請求人である石川一雄さんが記者会見をおこない石川一雄さんは、弁護団から科学的な鑑定が出されているので、鑑定人尋問をおこなってもらえばわたしの無実は明らかになるので、ぜひとも、事実調べをおこなってほしいと述べました。

前回の協議で裁判所が開示の検討を促したスコップ、タオル関係の証拠開示について、検察官は、まだ検討中と答えました。

弁護団は、8月29日に提出した新証拠について説明し、検察官は今後、反論をふくめて検討するとしました。また、弁護団が提出した事実取調請求書についても、検察官は今後、検討して意見書を提出するとしました。弁護団からは、検察官が7月29日付けで提出した意見書について反論を検討していると述べました。

次回の三者協議は11月下旬におこなわれる予定です。

当面は、弁護団が求めた鑑定人尋問および万年筆インクに関わる鑑定の実現が第1の課題です。狭山事件においては、1977年の第1次再審請求以来、45年になりますが、一度も鑑定人尋問などの事実調べがおこなわれていません。

10月31日には狭山事件の有罪判決である東京高裁の寺尾判決が出されて48年を迎えることから10月28日に東京・日比谷野音での市民集会が開催されます。そのときに、事実調べ(鑑定人尋問・鑑定)の実施を求める多くの署名を提出できるよう、全国で取り組みをすすめ世論を大きくしていきましょう。


鑑定人尋問へ向けて 弁護団が請求書を提出  2022/8/29

狭山弁護団は再審開始に向けて裁判所へ鑑定人尋問を実現させるために2022年8月29日に事実取り調べ請求書を提出しました。証拠開示を実現するには裁判長の判断が必要になります。実現させるためにも世論を大きくすることが必要です。大阪をはじめ全国各地で署名、要請はがき行動にとりくんで声をあげていきましょう。

以下、中央本部の報告を紹介します。

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事実取調請求書の提出について(報告) 部落解放同盟中央本部 

8月29日、弁護団は、東京高裁に新証拠と再審請求補充書とあわせて事実取調べ請求書を提出しました。

提出された新証拠は、スコップについての元科捜研技官による補充意見書2通(土砂および油脂について)、殺害方法、死体処理についての法医学者の鑑定書2通、下山第2鑑定に関わる下山鑑定人の意見書など、検察官が提出した意見書の誤りを明らかにした新証拠および、取調べ録音テープ反訳をコンピュータを用いたテキストマイニングによって分析した立命館大学教授のあらたな鑑定書等9点です。第3次再審請求で提出された新証拠は255点になりました。

弁護団は、これらの新証拠、再審請求理由補充書とあわせて、事実取調請求書を東京高裁に提出しました。事実取調請求書は、これまで提出された新証拠を作成した鑑定人の証人尋問を求めるものです。具体的には、脅迫状の筆跡・識字能力、指紋、足跡、スコップ、血液型、目撃、音声、万年筆、自白、殺害方法、死体処理について、鑑定を作成した科学者、専門家鑑定人11人の尋問を求めています。

これらの鑑定人は、コンピュータによる画像解析の専門的知見をもつ科学者、人物識別供述についての専門的知見をもつ心理学者、あるいは法医学者や元科捜研技官など、いずれも、その分野での専門家であり、その専門的知見にもとづく鑑定内容、結果と意味について、尋問をとおして直接、鑑定人から聞いて、十分に精査したうえで新証拠の評価をすべきです。また、これらの弁護団提出の鑑定に対して、検察官は反証を提出し、弁護団が再反論の新証拠を提出するなど、鑑定の評価が「争点」になっています。そして、鑑定した事項は、狭山事件の確定判決(東京高裁の無期懲役判決 1974年10月31日)があげた有罪証拠に即したものであって、新証拠によって確定判決に合理的疑いが生じているかどうか、再審を開始すべきかどうかを総合的に判断するために鑑定人尋問は不可欠です。弁護団は事実取調請求書において、こうした点を指摘し、鑑定人尋問の必要性を主張しています。

また、下山第2鑑定で鑑定資料となった被害者が事件当日に書いたペン習字浄書の文字インクと被害者のインク瓶(残存インク)からクロム元素が検出され、発見万年筆で書いた数字のインクからはクロム元素が検出されないことについて、裁判所による鑑定を請求しました。下山第2鑑定に対する検察官の批判が意味のないものであり、下山第2鑑定の結果が正当であることが第3者による蛍光X線分析で明らかになるとしています。

弁護団はこれらの事実調べ、鑑定人尋問をおこなったうえで、新証拠と他の全証拠を総合的に評価し、狭山事件の再審を開始するよう求めていきます。

狭山事件においては、1977年の第1次再審請求以来、45年になりますが、一度も鑑定人尋問などの事実調べがおこなわれていません。

 

まだ鑑定人尋問の実施が決まったわけではありません。東京高裁が、弁護団が求める鑑定人尋問を実施するよう求める世論を大きくしていかなければなりません。全国各地で、世論を盛り上げる取り組みをすすめよう。

画像説明(証拠開示によって事件から40年以上が経ったのちに開示された被害者が使っていた万年筆のインク瓶。これをもとに弁護団はインクを分析し、石川さん宅から発見された万年筆が被害者の持ち物とちがうことを科学的に証明している)

画像説明(事件当日に被害者が書いた文字と石川さん宅で発見された万年筆の文字などを分析し、発見万年筆にはクロムが検出されたが、被害者のものからは検出されなかった。このことに対して今回の請求では裁判長の判断を求めている)



短歌に託して  石川一雄さん連載スタート

 解放新聞埼玉県連版に石川一雄さんの連載がスタートしました。
 「短歌に託して」という題名で、石川さんが獄中生活当時をご自身の言葉で語り、えん罪を訴えています。
 部落解放同盟埼玉県連合会から了解を得て全編を紹介させていただくことになりました。

 


証拠開示再審開始を 石川一雄さんがビデオメッセージ

  石川一雄さん、石川早智子さんのビデオメッセージが2022年8月23日に公開されましたので一部を紹介します。(画像をクリックすると動画を見ることができます)

  石川さんは1963年5月23日に逮捕されたときの出来事や、(女子高校生殺害を)やっていないといっても信じてもらえず、(家族の生計を支えていた兄が犯人だと警察に騙され)兄が逮捕されると聞き、自白に追い込まれた経緯などを語りました。石川さんは「私があたかも述べたようにして勝手に調書が作られていった。3人の取調官が確定判決の時に『石川はすらすらと自白をした』と語っている。今そのことがでたらめだということが明らかになっている。三次再審が最終段階にきている。大崎事件のようにあれだけの証拠があるにもかかわらず棄却されてしまった。証拠開示とともに再審開始決定が出たら検察官が上訴できないような法改正が必要。えん罪を晴らすまで。裁判官が法廷をひらくまでご支援をお願いしたい」などとのべました。
 再審開始に向けて狭山弁護団は現在承認申請をおこなう準備を重ねています。今後も多くの支援が必要です。


全青・全高徳島集会で石川さんが訴え     2022/8/22

 部落解放第54回全国高校生集会、第66回全国青年集会が8月20日から二日間、徳島県で開催されました。石川一雄さん、石川早智子さんがアピールを行ったので紹介します。

 石川一雄さんは現在、第三次再審請求審において鑑定人尋問請求をおこなう予定であり、「この第三次再審でなんとしても決着をつけたい」とのべ「新型コロナの影響で各地の集会に参加できない日々が続いているが、私は健康に気をつけて最後までがんばる。みなさんの力強い支援をかさねてお願いする。若い皆さんの運動に大いに期待したい」と語りました。

  地元徳島出身の石川早智子さんは部落出身を隠し青年時代を過ごした思い出を語り、「狭山事件を知り、差別と向き合うことを決意したら差別は追いかけてこなくなった。皆さんの闘いで石川一雄の見えない手錠を外してほしい」と支援をよびかけました。


 毎日新聞埼玉版に石川一雄さんが紹介されました。
 事件発生当時、ずさんな捜査の結果犯人を取り逃がし、被差別部落に見込み捜査をかけて石川さんが犯人にされました。
 見えない手錠を外すには再審開始を実現させなければなりません。


不当逮捕から59年 1日も早く再審開始を 狭山市民集会2022-5-24

 狭山事件の再審を求める市民集会が5月24日に東京の日比谷野外音楽堂でひらかれ、5月とは言えないほどのかんかん照りの熱気があふれる中、全国各地から支援者ら約800人が参加した。狭山事件は1963年5月23日の不当逮捕から59年を迎え、今年「再審開始の扉」を開くための鑑定人尋問請求を提出する予定で重大局面を迎えた集会となった。

 石川一雄さんは挨拶で全国各地から参加していただき感謝しているとのべ、「新証拠が発見されている。これが寺尾判決当時に出ていたら、有罪は出せなかったんじゃないか。残念だ。水平社100周年の今年、えん罪を晴らすためにここで決着をつけようとしたが残念ながら来年に持ち越しとなってしまった。83歳になるが元気で闘っていく」などとのべた。

 早智子さんは三者協議や新証拠について語り、「50回の三者協議で裁判官が検察に証拠開示を促した。弁護団も9月上旬までに鑑定人尋問を求めていく。石川は文字を取り戻し文字を力にして闘ってきた。59年前の5月23日は石川が逮捕された日。昨夜の23日は59年前のことを思い出し、今頃は(取り調べしつで警察に)机をバンバンと叩かれていたとそのことを思い出すと自分を見失いそうになるほど怒り、無念でいっぱいになったと苦しそうな表情で語ってくれた。今度こそ、鑑定人尋問へ向けてなんとしても裁判所を動かすためにみなさんの支援で動かしてほしい。全国各地で街宣や勉強会などの取り組みの報告が届いている。59年闘ってきた。このまま終わるわけにはいかない」などと支援を呼びかけた。

狭山弁護団報告では、中山武敏主任弁護士、中北龍太郎事務局長が第3次再審請求の現状と鑑定人尋問請求について報告。中山弁護士は、裁判長に部落差別の理解と差別に基づく違法捜査を認めさせる必要性を訴えた。

原判決の証拠となった証言が確定判決により虚偽であったことが証明されたとき再審請求の理由となる「刑事訴訟法」435条2号にもとづき、弁護団は4月に再審理由の追加申立書を提出した。その内容について中北弁護士が説明した。

取り調べに当たった警察官が「自白調書は石川さんの言う通りありのままを書いた」と裁判所で証言したが、開示された取調べの録音テープには、警察官による自白の強要が明らかになり、証言は完全にウソであることが明らかになった。殺害方法についても石川さんの供述が二転三転し、警察官の都合のいいように誘導されて自白させている。被害者の鞄は遺棄した位置が書かれていない図面をもとに発見され、石川さん宅で見つかった万年筆も2回にわたる家宅捜索で発見されなかったのに警察は石川さんが作成した図面にもとづいて発見されたとしたが石川さんはそんな自白を全くしていない。確定判決はウソの証言で塗り固められた偽の判決にほかならないと強調。

 

 

行動提起を片岡明幸狭山闘争本部長が報告。「夏に鑑定人尋問の請求をおこない(裁判所が判断すれば)、事件に関連する様々な鑑定書作成に関わった方々が裁判所で説明する。筆跡、殺害方法、スコップ、地下足袋、血液型など10余りの鑑定人尋問を請求する予定だが、万年筆のインク成分に関する下山鑑定に的を絞って全国的に宣伝していきたい。万年筆には指紋もなく、インクも違っていた。証拠開示によって被害者が持っていた万年筆と石川さん宅で発見された万年筆の成分がちがうことが科学的に証明されている。全国水平社結成から100年を迎え、戦後の部落解放運動の中心は狭山事件であった。名誉と権利を取り戻す闘いとして狭山闘争を勝ち抜いていかなければならない」などとのべた。

 

 

市民の会から鎌田慧事務局長がアピールし「この闘いは人間に対する名誉の闘い。狭山事件では学習する機会を奪われ文字を書けなくて苦しんでいる人が文字を使って犯罪することは考えられないが裁判官検察などのエリート連中はそれが全く理解できない。えん罪事件がこれだけ多く残っているのは民主主義のパイプが詰まっている、機能していないということ。えん罪を訴えた人が死刑囚とされ亡くなっている。4人の死刑囚が続いて無罪になった時代があった。その時代に流れをもう一度作っていく、民主主義の確認のためにもデモ行進をおこないたい」などとのべた。

終了後デモ行進を行った。

 

オープニングには島キクジロウ&No Nukes Rights によるバンド演奏がおこなわれ、演奏の合間には「戦争が起きると憲法改正の動きが起きているがこんな時にこそ日本にしかできないことを世界に発信していく必要がある」などとのべた。



なんばで狭山街宣 2000枚のチラシを配布  2022/5/20

 狭山街宣行動を5月20日の夜に難波高島屋前で開催し、支援者ら約40人が参加し2000枚のチラシを配布しました。

 新型コロナ感染防止のため、マスクと手袋をはめて「狭山事件はえん罪です」と書かれたチラシ入りティッシュを道行く人に配布し石川さんの無実を訴えました。

 チラシを広げて立ちどまり読みふける人もいて、少しでも関心を持ってもらえたのではないかと思います。署名の呼びかけも行いました。
 チラシには証拠開示によって被害者が使っていた万年筆インクが開示され、弁護団は当時のインクを取り寄せ石川さん宅で発見された万年筆のインクとちがう成分だということを科学的に証明したことや検察は反論すると言いながらなにもできず、「万年筆を水洗いした」という根拠のない主張を展開していることを説明しています。


無実の罪人59年

2022年5月17日の東京新聞に狭山事件が紹介されました。

事件から59年、第三次再審を早期に実現させ石川さんの無実を勝ち取らなければなりません。


熊本全女集会で石川さんが訴え        2022/5/14

 

   部落解放第65回全国女性集会が5月14日、15日に熊本県の熊本市民会館を主会場にひらかれ全国各地27都府県から663人が参加しました。会場前には地元熊本県連女性部の皆さんが「ようこそ熊本へ」と書かれた横幕をかかげ出迎えてくれました。

 「全国水平社創立100年の闘いを受け継ぎ、差別と戦争に反対するとともに人権と平和、民主主義、環境の確立と男女平等社会の実現に向けて、部落女性の力を総結集し、部落j解放運動を大きく前進させよう」をスローガンに部落問題をはじめ人権問題について学習し各地の取り組みや交流を深めました。

 

 初日の全大会で石川一雄さん、早智子さんが挨拶したので紹介します。

 石川さんは現在、三者協議が進行し、証人調べを要求することになったことを報告し、「今までの科学的な証拠から見て石川の無実は明白だ」とのべました。

 逮捕された当時は文字の読み書きができなかったのですが刑務所の中で看守さんに教えてもらい一生懸命文字を習得できたことを語り、「文字を読み書きできたことで一番嬉しかったのは毎月一回の映画鑑賞の時に字幕を読めて理解できたことだ」と語り、「文字を教えてくれた看守さんが移動した後も、一人で勉強し文字を全て読めるようになったのはおよそ13年くらいになる。現在83歳になるが組坂委員長よりもまだまだ元気です。今後も差別をなくす運動の先頭に立ち闘っていきたい。来年こそ冤罪が晴れるように皆様の一層の支援をお願いしたい」などと語り支援を呼びかけました。

 さちこさんは「石川は83年の人生のうち59年が冤罪を晴らす戦いだった。その中で文字を取り戻し、文字を力にして全国の皆さんに支援を訴えていった。多くの学び出会いをいただいた。今狭山の戦いは最終段階に来ている。今年の戦いが来年に実を結ぶように協力を呼びかけ「1994年の仮出獄から28年が経つが石川は毎月、保護士との面談が課せられ今も見えない手錠がかかっている。皆さんのお力を貸してほしい」と語りました。


えん罪を晴らすために更なる支援を 石川さんメッセージ2022/5

今年は全国水平社創立100周年を迎えた年であり、狭山の闘いを勝利して、その1ページを飾ることができたらと闘いを続けてきましたが、残念、無念の思いでいっぱいです。

2006年5月23日、東京高裁に第3次再審請求を申し立て、弁護団や支援者皆さん方の闘いにより、これまでに246点の新証拠を提出しています。弁護団は今後鑑定人尋問を請求することにしていますが、勝利するためには、何としても鑑定人尋問を実現することが最重要です。

来年、2023年は、不当逮捕60年になります。しかし、来年になれば冤罪を晴らせるとの保証はなく、寧ろ今までの司法の姿勢をみれば危機感さえ孕んでいます。そういう意味で今が一番大切な時でありながら、コロナ禍のために支援者皆さん方に私たちが直接支援要請できないのが残念でなりません。それでも全国の支援者の皆さんが変わらず、創意工夫しながら闘い続けて下さっていることに感謝の念でいっぱいです。

全国の狭山集会も、昨年10月に2年ぶりに開かれましたが、不当逮捕された5月の集会は2019年に開かれて3年ぶりとなります。私は過去を顧視(こし)しないのが持論乍ら、家に閉じ籠っていると、別件逮捕され、厳しい取り調べを受けたことが思い出されます。通常の取り調べの合間に、元・交通係で、白バイに乗っていた人が来て、机をドンドン叩き、同じく別件逮捕されたAさん、Bさんの自白があるかのように装って、「彼らはこのようにお前と一緒にYさんを殺したと認めているんだ」と、自白の強要を迫ったり、大声で威嚇されました。

のちにAさんは高裁で証人に立ち、「石川さんはA、Bと殺したと認めていると取り調べの刑事に言われた」と証言しておりました。後には「拷問的な取り調べに耐えかねて留置場で首吊り自殺しようとしたが、看守に見つかり死ぬことができなかった」と話しておられ、Aさんも厳しい取り調べをされていたことを窺い知ることができました。

一方、河本検事に至っては、机の上に尻を乗せ、革靴を履いた足で、ドタバタと机を叩いた挙句、私が一言も喋らないにも拘わらず、勝手に自白調書を作成してしまうのでした。ただ、河本検察官は強制的に名前や捺印を迫った訳でなく、一応全文を読んで聞かせた上で、署名捺印を迫ったので、私は述べていないのに、「自白」したようになっていたので、怒って灰皿を投げつけ大騒ぎになってほかの警察官らが駆け付け、顛末を話してその日以降、しばらくの間、河本検事は私の取り調べを外されてしまったようでした。仮に何も言わずに「名前と捺印」を迫っていたとしたら無学な私は従っていたかもしれませんが、検察官として調書の内容を理解させておく必要があり、読んで聞かせたものと思われます。

狭山署の署長と関さんの3人で取り調べを受けていた日が613日であり、それから23日前のことと記憶しています。

今私が自分を叱責しているのは、取調中に如何なる事情があったにせよ「人殺し」を認めてしまったことで、濡れ衣を着せられ、長い拘禁生活を強いられ、冤罪を晴らすために今も皆様に多大なご迷惑をおかけしていることであります。

兄の地下足袋を見せられ、事件当夜、兄が夜遅く帰ってきたこともあり、取調官に兄が犯人だと問い詰められる一方、私に自白を迫るのは矛盾していましたが、社会的無知であったので、当時は思慮分別もなく、自分は「Yさん殺しはしていない」と、ただ否定の一点張りでした。

然し、私が否認し続けていたことでいよいよ「兄を逮捕する」と言われ、長谷部警視から私が自白すれば兄を逮捕しない上に、本来なら1020年位刑務所を出られないところ、10年で出られるようにしてやる、と言われたのです。一家の大黒柱である兄が逮捕されると、家が困ることから、約束を信じて長谷部警視の言う成りになって自白してしまった次第です。

これまで、私は、忍耐、努力、根性で闘い続けてきました。長い冤罪の闘いですが、この悲哀、不条理、不正義が何時までも続く筈がありません。弁護団や、皆さんの闘い、ご理解のもとで真相は必ず証明されることを確信して、今後も不屈に闘い抜き、第3次再審開始の実現を目指し、奮闘する所存であります。

今日も全国各地において不当逮捕59年糾弾集会に決起して下さったものと思われ、本当に心強く感謝にたえません。

来年は不当逮捕60年です。何としても来年こそ冤罪を晴らせるように更なるご支援を下さいますよう心からお願い申し上げて、私、石川一雄のご挨拶といたします。ありがとうございました。

 

陥穽(かんせい)で戦う吾は59年 牽強(けんきょう)司法に真相求む

2022年5月23                      石川 一雄

全国の狭山支援者各位

 

・陥穽(かんせい)・・・人をだます計略。はかりごと。罠(わな)。陥穽に陥(おちい)る=罠にはまる。

・牽強(けんきょう)・・・道理に合わないことを無理やりこじつけること。


裁判所が検察へ証拠の開示を促す   第50回三者協議

 

第50回三者協議が2022年4月26日にひらかれました。部落解放同盟中央本部の報告を紹介します。

 

(1)刑事訴訟法435条2号による再審請求追加申立書の提出

4月8日、弁護団は、刑事訴訟法435条2号(「原判決の証拠となった証言が確定判決により虚偽であったことが証明されたとき」を再審請求の理由と定めたもの)にもとづく再審理由の追加申立書を提出しました。これまでは刑訴法435条6号(「有罪の言渡を受けた者に対して無罪を言い渡すべき明らかな証拠をあらたに発見したとき」(要旨))にもとづいて、新証拠を提出してきました。今回の申立ては、証拠開示された取調べ録音テープ等によって、寺尾判決が認定の根拠とした警察官の証言が偽証であることが明らかになったので、再審請求の理由を追加するというものです。

第3次再審請求では、東京高裁の開示勧告で、石川さんに対する取調べを録音したテープが証拠開示された。取調べ録音テープによって、石川さんが死体の状況などを知らないことなど、自白が実際の犯行の体験を語ったとは考えられないこと、警察官の誘導によって作られていったことが明らかになりました。 

一方、狭山事件の確定判決となっている2審・東京高裁の無期懲役判決(寺尾判決)は、「(取調官らの)当審(2審)各証言に徴しても、不当な誘導がなされたことをうかがわせる状況は見いだせない」「被告人の取調べを主として担当し、最も数多くの供述調書を作成している青木(警部)が当審において証人として、自分は、平素から供述調書というものは、被疑者の言うとおりをそのまま録取するものだと考えているし、それを実践してきたと証言している」などとして、自白は任意になされたもので、信用できるとしています。しかし、この有罪判決の根拠となった警察官らの「スラスラと(犯行を)自白した」「調書は言ったとおりに書いたもの」という証言は開示された取調べ録音テープで偽証であることが明らかです。今回の申立てでは、自白の任意性、自白の信用性、鞄、万年筆の発見経過について、それぞれ有罪判決の根拠となった警察官の証言が開示証拠によって、偽証であったことが明らかになったとして、再審理由にあたると主張しています。(詳細については狭山パンフで解説を掲載します。)

 

(2)スコップ、タオルについての証拠開示

スコップ関連の証拠開示請求について弁護団は、1月18日に意見書を提出し、スコップ付着物の鑑定をした県警鑑識課の星野技師を検察官が検察庁において聴取した際の報告書の開示を求めました。これに対して検察官は1月25日付けで開示の必要性はないとする意見書を提出し、前回の三者協議(1月27日)において、弁護団は反論していました。

弁護団は、1月18日付けで、有罪の根拠の一つとされたタオルに関する証拠開示勧告申立書を提出しました。狭山事件においては、被害者の死体は、タオルで目隠しされており、このタオルは東京の食品会社が関連する会社に贈答品として配ったものでした。配られた先の一つに、石川さんがかつて働いていた東鳩製菓があり、野球大会の参加者などに配られたという東鳩の工場関係者の証言を根拠として、野球チームに入っていた石川さんは本件のタオルを入手可能だったとして、有罪の根拠とされたものです。

検察官は3月31日付けでタオル関連の証拠開示請求について、最高裁の上告棄却決定を引用するとともに新証拠が提出されていないなどとして証拠開示の必要はないとする意見書を提出しました。これに対して弁護団は、4月20日付けで反論の意見書を提出しました。弁護団が開示を求めているのは、タオルを製造、得意先に配付した月島食品、およびタオルの贈答を受けた東鳩製菓(本社や各工場)における帳簿など捜査過程で作成された客観的な資料です。弁護団は反論の意見書で、裁判官の論文などを引用し、こうした資料の開示は新証拠のあるなしに関わらず、おこなわれるべきだと主張しました。

 

(3)第50回三者協議(4月26日)

2022年4月26日、東京高裁で第50回三者協議がひらかれました。東京高裁第4刑事部の大野勝則裁判長と担当裁判官、東京高等検察庁の担当検察官、弁護団からは、中山主任弁護人、中北事務局長、青木、竹下、小野、河村、平岡、小島、指宿、山本、七堂の各弁護士が出席しました。

前記の通り、弁護団が求めたスコップに関わる証拠開示については、検察官は「不見当」の回答をくりかえしました。また、タオルについての証拠開示について、裁判所は、客観的な証拠はなるべく開示してほしいというこれまでの裁判所の姿勢は踏襲すると述べて、タオルについても客観的なものは出してほしいと開示を促しました。

435条2号の再審理由の追加申立てについて、裁判所は答弁書の提出を求め、検察官は提出するとしました。弁護団は、今後、下山第2鑑定(万年筆インク)、赤根鑑定(死体関係)についての検察官意見書に対する反論の意見書、補充書などを6月中に提出する予定であると伝えました。

また、検察官は今後、総括的な意見書を7月末をめどに提出すると述べました。

次回の三者協議は9月上旬におこなわれます。 

弁護団は、今後、万年筆(インク)、殺害方法に関する検察官意見書への反論を提出することにしています。あわせて自白についての専門家の鑑定も提出し、それらをふまえて鑑定人尋問を請求する書面を提出することにしています。

 

今回、タオルについての証拠開示請求については、裁判所が検察官に開示を促しましたが、検察官は、この間、証拠開示について、必要性がないなどと不誠実な対応をくりかえしています。狭山の闘いと結びつけて、再審請求における証拠開示の法制化、再審開始決定に対する検察官の抗告の禁止、事実調べの保障などを盛り込んだ再審法改正を求める声を大きくしていくことが重要です。


今年中に証人尋問を請求・狭山住民の会全国交流会 2022/4/4

 拡大全国狭山活動者会議・狭山住民の会全国交流会が4月4日にHRCビルとオンラインでひらかれ、支援者ら約80人が参加した。

 2006年に第三次再審請求を申し立て、2009年に当時の門野博裁判長のもとで三者協議が始まって以降、これまで191点の証拠をもとに弁護団は246点の新証拠を提出し無実を証明している。弁護団は今年中に鑑定人尋問請求書を提出する。再審の扉を開けるために各地で世論を高めるとりくみを呼びかけた。

 石川一雄さん、石川早智子さんはビデオメッセージで支援者へお礼をのべた。

 石川一雄さんは狭山運動が大きく展開された当時について語り「1974年の寺尾判決が出される一か月前に10万人集会が開かれたことを聞いた。寺尾判決の時には本来ならば無罪であっても拘置所へ帰るのが限定だが(誰もが釈放されると思っていたので)東京拘置所を出るときに背広をもって出るように言われ無罪だったら支援者が待っている日比谷公園へ直接言ってもいいよと言われた」と当時の様子を語った。「これまでの新証拠をもとに何としても裁判官に証拠調べの判断をしてほしい。私ひとりで裁判官を動かすことはできず、第三次再審で終結するように一層のご支援を」などと語った。

石川早智子さんは参加者へ支援のお礼をのべるとともに、3月の全国水平社創立100周年に出席し、創立当時、厳しい差別迫害の中で敢然と立ちあがり差別と闘ってきた苦難の歴史は人間解放の闘いでもあり、後に、障害者、女性など多くのマイノリティ運動を牽引してきたことや狭山事件は部落差別による冤罪であり、事件を知らない人にも関心を持ってもらえるようにホームページをたちあげて22年が経過している。「第三次で勝利させたい。重要な1年となっている」とのべさらなる支援を呼び掛けた。2人のメッセージは後日、中央本部HPに掲載される。

 中北龍太郎弁護士が「下山第二鑑定と水洗い論、取り調べ録音テープと自白」などの新証拠について説明した(下に)。

 基調提案を片岡昭幸中央副委員長が報告。鑑定人尋問請求書へ向けて裁判所へ対して攻勢をかける運動を各地で展開してほしいなどとのべ狭山事件の再審を求める市民集会を5月24日に日比谷野外音楽堂で開催する。他にも各地のメーデーで狭山情宣活動の実施の呼びかけや再審開始が決定しても検察が抗告し覆される事例が続いていることから再審法の証拠開示を実現させるための国会請願署名運動や大崎事件、袴田事件署名の協力を呼びかけた。

 映画「SAYAMAみえない手錠をはずすまで」の金聖雄監督が布川事件えん罪被害者の桜井昌司さんのドキュメント映画「オレの記念日」が完成し、上映の呼びかけのあいさつをおこなった。

 


鑑定人尋問を強く迫る 中北弁護士が新証拠について説明

 

 寺尾判決は自白を離れて客観的に石川さんと犯行の結びつきを示す7つの状況証拠と自白をもとに捜査した結果、判明した事実が存在することが犯人しか知りえない秘密の暴露にあたるなどとし有罪とされた。

 下山第二鑑定は蛍光X線分析装置を使ってインクに含まれる元素を調べ発見万年筆が被害者のものでないことを科学的に証明した。事件当日、被害者が授業で書いた用紙や発見万年筆で書いた用紙、インク瓶の中にX線分析を当てて調べ、被害者の万年筆にはクロムが検出されたが発見万年筆には検出されなかった。

 検察は反論で、被害者は万年筆を水洗いして別インクを入れたことが推認されると主張するがそれを証明する証拠は何もない。

 2010年、最初の自白調書が作成される直前の取り調べの録音テープが開示され、警察官の断定、強要により調書が作られていた。警察官は単独犯行自白後すらすらと自白していたと証言していたがすべて偽証であることが明らかになった。

 被害者の鞄は石川さんの図面をもとに発見された。2013年に捜索に関わった警察官全員の連名の捜査報告書が開示された。その図面をもとに鞄が発見されたとするが、その図面には鞄を捨てた位置が書かれていない。

 殺害方法についての自白も変遷している。録音テープでは首を絞めたことについて、石川さんは、タオル→手ぬぐい→タオルか手ぬぐいと自供していたが警察が強く誘導し警察の思い通りの右手で被害者の首を抑えたという供述調書が作られた。真犯人であれば殺害方法をわからないはずがない。

 自白変遷の経過は供述書に記載されず自白信用性にかかわる警察官の証言はすべて偽証であることが明らかになっている。

 次回三者協議では下山第二鑑定についての再反論などを提出する。鑑定人尋問を強く迫っていきたい。


石川さんは無実 新証拠の核心に迫る連続講座 2022/3/12

 「新証拠」の核心に迫る第4回狭山事件連続講座が2022年3月12日にエルおおさか708号室でひらかれた。

 狭山事件の有罪確定判決である寺尾判決で客観的な有罪証拠とされた証拠について学習した。スコップの平岡鑑定について小野順子弁護士が報告。万年筆の下山第二鑑定について高橋俊彦弁護士を講師に予定していたが、体調不良により、中央本部の安田聡さんが講演を行った。

 

平岡鑑定について小野順子弁護士が報告。

 元京都府警科学捜査研究所主席研究員の平岡義博・立命館大学教授は油脂と土壌に関しての鑑定を提出した。

 死体発見現場から約125メートルの麦畑で発見されたスコップは石川さんがかつて働いていたI養豚場から盗んで死体を埋めるのに使ったものであることが自白を離れて認定できるとされてきた。その根拠は埼玉県警鑑識課のスコップ付着土壌と油脂の星野鑑定で平岡鑑定はその内容を見て再評価しスコップ付着土壌に死体発見現場付近の土と類似するものがあったという埼玉県警鑑識課の鑑定の結論は誤りであると指摘している。死体発見現場の土ではなく周辺の土を観察した経緯について平岡さんは、たとえば首をネクタイで締められた殺人事件が起きた時、凶器となったネクタイではなく似た様なネクタイを証拠として採用するようなもの。遺体を埋めた場所の土を採取せずに付近の土を調べるのは何の意味があるのかと指摘。

 平岡教授は現場周辺の地層も調査し、何万年もかけて関東ロームが堆積された経緯や死体が埋められた穴ふきんの堆積について説明。

 死体を埋めた付近には地層が赤土と黒土があるが開墾されていくと火山灰の赤土が黒土に変わり層が薄いので耕すと赤土が混入していく。先に開墾された畑と後で開墾された畑の境に死体が埋められた穴が位置し、現場の特性から少し場所が違っただけでも違う土壌である可能性がある。

 星野鑑定で土を鑑識するときにどのくらい掘って採取したかなどの場所を明確に記載しているはずで、その資料の開示を求めているが検察官はないとしか言わない状態が続いていることから今後も継続して開示を求めていくことなどを話した。

 

 下山第二鑑定について安田聡さんが報告。

 被害者のものとされる万年筆が石川さんの自白で石川さん宅の鴨居から発見された。警察は石川さん宅の家宅捜索を1回目は12人の警察官が2時間17分かけて行い、2回目は14人の警察官が2時間8分の家宅捜索を行っても発見されなかったのに、3度目の家宅捜索で発見され、兄に素手で取らせるなど不自然なことが多い。

1963年の荏原鑑定では発見万年筆のインクと被害者のインク瓶、日記、手帳と比べるために、ペーパークロマトグラフィー検査で鑑定し異なると出ている。その鑑定書を検察官は裁判に出さなかった。弁護団は最高裁の段階で荏原鑑定で「裁判の証拠になっていないんだから証拠に基づかない主張である」とインクの違いを判断しなかった。荏原鑑定は1回目再診請求の時に新証拠として提出した。

 2009年門野裁判長によって3者協議が開かれこれまで多くの証拠が開示された。被害者が使っていた万年筆のインク瓶が2013年に開示され、パイロット社に確認しインクジェットブルーインクだと初めてわかった。成分を調べるとそのインクには鉄が入っていた。

発見万年筆は裁判所に証拠物として保管されているが荏原鑑定の時にインクを全部使っていたので比較することができなかった。弁護団は諦めずに当時の万年筆に関わる捜査資料の証拠開示を請求し続けた。1963年7月に発見万年筆が被害者のものであるかどうかを被害者の兄が確認した時に書いた数字が2016年に開示された。

 

下山進・吉備国際大学教授に依頼し、蛍光 X 線分析装置を使いインクに含まれる元素を分析。

事件当日、被害者が一時間目の授業でペン習字の清書を書いた用紙や発見万年筆で兄が書いた数字、インク瓶の中にX線分析を当て調べた。被害者の万年筆にはクロムが検出されたのに発見万年筆にはクロムが検出されず証拠の万年筆被害者のものはないことを客観的、科学的に明らかにした。X線発生装置と検出装置の機械を作る為に一年の準備をかけて分析装置を作り、調べることができた。下山第二鑑定は2018年8月に提出した。

 検察は反論で、被害者は万年筆を水洗いして別インクを入れたことが推認されるとするがそれを裏付ける根拠は何もない。可能性があるから被害者のものでないとは言えないという言い方をさせないようにしないといけない。下山第二鑑定によって合理的疑いが生じている。

 他にも原厳島鑑定では、狭山事件を知らない大学生12人へ復元された石川さん宅のお勝手の中で物を探す実験を実施。全員が30分以内で鴨居の万年筆を発見した。素人でも気づくのにプロの警察官が2時間以上の2回の家宅捜索で見つからないのはどう考えても不合理と言える。裁判所は見えにくい場所は見落とすと言ってきたが家宅捜索は体を動かして探している。見落とすという言い方を探す行為に当てはめるのは間違っているなどと述べた。  


石川さんに脅迫状は書けない  森鑑定が報告 2022•2•26

 「狭山の新証拠分析から~狭山事件を識字研究発展の立場から捉える~」が2月26日にひらかれた。部落解放・人権研究所の「識字・成人基礎教育研究会」公開研究会の主催。 

 石川さんが脅迫状を書けないことを証明した大阪教育大学名誉教授の森実さんが、新証拠について説明した。

 検察は石川さんが脅迫状を書いたと主張する理由の中で石川さんは脅迫状よりも前に漢字を含めた文書を書いていることを理由にしている。森さんは「ここを崩せば検察の主張は崩れるはず」と1955年に文部省がおこなった国民の読み書き能力調査結果と取り調べ録音の分析結果を踏まえて当時の石川さんは部落差別によって文字を奪われた非識字者であり脅迫状を書けなかったことを証明している。

 取り調べ録音テープには警察官に文字を教えてもらいひらがなの綴りの指導をうけて書いた地図や略図にはひらがなの綴りがちゃんと書けていないものが多い。

 録音テープには警察官が石川さんへ対して「文字の読み書きができねえと思っていたがこれほどだったとは」と嘆く声が何度も出ている。 

脅迫状を書いた犯人は意図的に読み書きできないふりをするために当て字で元々の読み方と同じ漢字を使いほぼ正確に句読点が打たれている。石川さんは句読点をほぼ打てない。逮捕当時の石川さんの読み書き能力は小学校一年生修了レベルに達していない。

 逮捕される前に石川さんが書いたとする文章は以前働いていた工場で休暇届などの用紙に記入したもので漢字は石川さんの名前、住所だった。名前も「一雄」ではなく「一夫」、休暇届の理由の「頭痛」という文字は「ずツ」と書かれている。

 石川さんは刑務所の中で刑務官に教えてもらい文字を習得できたことなどを説明した。

 

 識字教室ボランティアに関わる参加者からは、「現地調査に出向き石川さんの無実を確信した。」、「教室の中で学習者と文字を学ぶやりとりと同じように石川さんは取り調べの中で文字を書かされていた。不安な中で文字を書く姿を考えると胸が苦しくなる」、「文字の読み書きができない人がいること、識字の状況を全く知らない中で裁判が行われていることに驚いている」「脅迫状には文字に慣れた人が書いていることが明らかで石川さんの文字の習得の仕方と全然違う」などの意見が寄せられた。

 今年は水平社宣言から100年を迎えることから現代版「識字・水平社100年宣言」を作ることを呼びかけた。9月に開催される全国しきじ経験交流会で発表する。

 

 


脅迫状の筆跡は99.9%別人 第3回連続講座  2022/2/23

「新証拠」の核心に迫る第3回狭山事件連続講座が2022年2月23日に大阪市中央区のエルおおさかでひらかれオンラインを含め約70人が参加した。講演では「99.9%別人の筆跡・福江鑑定」について竹下政行弁護士が、「脅迫状は書けなかった・森鑑定」について七堂眞紀弁護士が証拠の内容を説明。大阪教育大学名誉教授の森実さんも参加し「狭山と部落運動」について、講演をおこなった。

 

寺尾判決は、脅迫状と石川さんが逮捕される2日前に書いた上申書は同一人物の筆跡と判断した警察側の筆跡鑑定を有罪証拠とした。

竹下弁護士は警察の鑑定人の観察による字の形の類似性や相違性を見て同筆かどうかを判断する伝統的筆跡鑑定であり、個人の経験に基づく主観的判断で、警察による鑑定であることからなおさら信用できないと指摘。

 福江潔也判定ではコンピュータを用いた画像解析の方法を活用し筆跡鑑定をおこなった。脅迫状と上申書、関巡査宛ての手紙の筆跡を比較し、共通している「い、た、て、と」の4文字をコンピュータを用いて重ね合わせ、「同じ人でも全く同じ字形ではなく違いがある書きムラ」と「人によって同じ字を書いても字形に違いがある書きぐせ」のズレ量を計測し、その分布を調べると同じ人が書いた時のずれ量よりも大きいことが明らかで99.9%の識別精度で別人だという結果が出ている。

 ほかにも第48回三者協議で提出した笹倉香奈・甲南大学教授による意見書について説明し、アメリカで80年代に筆跡検査がどこまで有効なのかを実証研究した論文をきっかけに、従来の形態比較によ る筆跡鑑定の科学性に疑問が指摘され、実際に筆跡検査が証拠として 採用されなかった裁判例等について報告した。

 

 「識字とえん罪」をテーマに森鑑定について七堂眞紀弁護士が講演。森鑑定は1955年に文部省がおこなった国民の読み書き能力調査結果と取り調べ録音の分析結果を踏まえて当時の石川さんは部落差別によって文字を奪われた非識字者であり脅迫状を書けなかったことを証明している。

石川さんは部落差別の結果、小学校へ満足に通えず、読み書きも十分に習得できなかった。石川さんが書いた上申書や取調べで誘導されて書いた図面には、「がっこう」を「がこを」、「ふうとう」を「ふんとを」と書き、小学校で学ぶ「っ」の促音や「ゃ」「ゅ」「ょ」の拗音などが正しく書けていない。

一方、脅迫状は、書く内容を意識して無駄がなく端的に目的を書いている。脅しの部分や重要な部分はくりかえし大きな文字で書き、当て字はあるが誤字はなく、促音や拗音も正しく書くなど、筆記能力が高い人が書いているとしか思えない。

七堂弁護士は石川さんの当時の筆跡などを紹介し「取り調べの録音テープを聞くと警察官が石川さんに一文字ずつひらがなの文字を教えていた。(脅迫状には多くの漢字があるのに)警察が漢字で書くように指導した場面は一度もでていない」。日本は識字率が高いというが調査結果では十分な読み書き能力を持たない人たちが5-7割いることなどを証明し石川さんが脅迫状を書けなかったことを証明した森鑑定は素晴らしいなどとのべた。

森さんは長年識字・基礎教育研究にたずさわる。国民の読み書き能力調査結果の後に日本政府は日本の識字率が99、9%と国連で報告したが日常生活で必要な読み書き能力を持っている割合は低い。狭山事件の脅迫状には句読点が適切に使われているが、石川さんが書いた文章には句読点が全くない。実際に読み書き能力を身に付けるには重要で学ぶことができなかった人が読み書きを身につけていく姿差別を受けて学校へ行くことができなかった差別の生き証人と言われる。石川さんの獄中での闘いについて「識字運動のそのもの」であり「識字は教育の原点という意味も重要で狭山を学ぶことは識字、基礎教育について考える実践的研究の土台といえる」などとのべた。

  会場参加者へ狭山支援カンパを呼び掛け、10338円のカンパが寄せられた。

 


3月12日に「新証拠」の核心に迫る 狭山事件連続学習会

  狭山弁護団はこれまで246点の新証拠を提出し、石川さんの無実を科学的に証明してきました。今回、その証拠について学習すると共に事件発生当時や石川さんが警察に騙され犯人とされた経過などについても再学習をおこないます。

  新型コロナ感染防止の観点から、講演形式とリモートの両方で開催予定ですが蜜を避けるためにも極力リモート参加をお勧めします。コロナ感染が拡大した場合、リモートのみの配信に変更することもあります。参加する場合には事前申し込みが必要です。申し込み問い合わせ・受付は府連事務局まで(email:furen@mail.hrn.gr.jp)。タイトルには必ず【狭山事件連続学習会申し込み】と記入してください。


えん罪被害者を生み出さないために  市民の集い関西20220220

 ―とどけ!真実の響き―第6回狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西が2月20日、大阪市阿倍野区の区民センターホールとオンラインの併用でひらかれた。

石川一雄さんと早智子さんから、ビデオメッセージが届けられた。(詳細は下段を参照)。

地元あいさつで解放同盟大阪府連合会の髙橋定副委員長が「えん罪を防ぐことは基本的人権を守ることである。司法の姿勢は常に問い直さなければならない。」と強調。「私たちもえん罪被害にあう可能性があり、市民一人ひとりの人権問題。石川さんの無実を勝ち取ることは一人ひとりの人権を守ることだ」と訴えた。

 「無実の人がなぜ犯人にされたか」として、えん罪被害者の東住吉事件の青木恵子さん、湖東記念病院事件の西山美香さんの2人がアピール。3月15日に国賠訴訟の地裁判決を迎える青木さんは「えん罪と闘う仲間のために最後まで闘いたい」と訴えた。西山さんの国賠裁判は4月28日から大津地裁で始まる。西山さんは狭山宣伝行動で狭山事件を知り、「えん罪仲間と少しでも力になるようにがんばりたい」と訴えた。袴田事件の袴田巌さんの姉の秀子さんがオンラインでアピールしいまは再審開始になるかの瀬戸際と訴え、「50年、60年以上が経とうが、勝つまで頑張ると前向きに生きていく」と強調し、最後までの支援を訴えた。

 

記念講演を「違法捜査とえん罪」をテーマに元東京高裁判事で弁護士の木谷明さんが講演。

木谷さんは裁判官在任中約30件の無罪判決を書いている。違法捜査は、別件逮捕・勾留をおこなうことが一番多く、次に物的証拠や記録に対する作為、秘密の暴露の偽装をおこなう有名な冤罪事件を紹介。

狭山事件の「秘密の暴露」において、3回目の簡単な家宅捜査で発見した万年筆の発見過程について、「どう考えても不自然」とのべた。また発見万年筆のインクからクロム成分が検出されなかったことなどをのべ「警察官の秘密の暴露が偽装ではないかとの疑問が出ても不思議ではない」と指摘した。

狭山事件について容易に再審が開催されない理由を木谷さんの想像として、確定判決を出した寺尾裁判長は、当時人権派裁判官の代表的存在だったこと。上告審、特別拮抗審で最高裁のそれなりに詳しい判断が示されていることなどを挙げた。最後に「有力な新証拠が発見された以上、いくら最高裁で判断されたとしても、可能な限り速やかに再審開始できる」とし、「楽観視できないかもしれないが、再審開始を期待しています」とのべた。

 

続いて、「文字を知らなかった石川さんと私」と連帯アピールを山本栄子さんがおこなった。

山本さんは1931年に京都市で生まれ、小学校卒業後働き十分に学ぶことができなかった。1960年代に36歳で部落解放運動と出会い、自宅を開放して41歳で識字学級を始める。40代に給食調理員となり、退職後に夜間中学、定時制高校に通い、69歳で大学に進学。

狭山事件の現地調査に参加し、鴨居も見て、(2度の家宅捜索で発見されなかった万年筆は)背が低い私でさえ分かったという。女性部の人間の鎖で千葉刑務所を囲んだ行動にも参加した。

石川さんは部落差別によって文字を奪われたが私も同じ状態。差別は教育、生活も奪う。私の地域では、その日暮らしの生活で教科書を買う余裕がなく、近所のお兄ちゃん、お姉ちゃんのお古をもらって使っていた。先生からは「買ってもらえよ、そんな本しかないのか」と言われた。高知の長浜ではじまった教科書無償化運動は1961年に全国に広がった。

石川さんも刑務所で文字を取り戻したことで、ウソの自白をに気づき、無実を明らかにしていったと思う。

石川さんはせめて夜間中学に行きたいという。元気な石川さんが鞄を持って、学校に通う姿をみたいと思いませんか。まだ真実を見ようしない警察に私は言いたい。石川さんの声をきけ、えん罪で苦しむ人たちの声を聞け、この支援者の声を聞いてほしい。再審の扉を私たちの手で開けていきませんかなどと呼び掛けた。

 

 各地域からの報告では石川一雄さんを支える埼玉東部市民の会の西田さんから、大阪府連が作成した狭山情宣ビラを使って地元の街宣行動で活用していることなどの報告があった。立憲民主党の尾辻かな子前衆議院議員、大石あきこ衆議院議員が連帯を訴えた。オンラインを通じて和太鼓集団熱光、いぶき、鼓情炎が演奏を披露した。集会後、「差別裁判うちくだこう」を流しながら、阿倍野区民ホールから天王寺駅まえパレ―ドをおこなった。


第三次で再審を 石川さんがメッセージ

石川一雄さん、石川早智子さんは新型コロナ感染拡大状況を受けて、感染防止と体調管理を徹底している。今回、全国各地の支援者へ向けてビデオメッセージが届いたので紹介する。三者協議も大詰めを迎え、鑑定人尋問を申請する段階にきている。何としても第三次再審で無実を勝ち取りたい。

石川一雄さん

2年ぶりに開催された昨年の10.31狭山市民集会の後に全国各地から連絡をいただいたことについてお礼をのべたあと「今年こそという意味で元気で第一歩を踏み出しましたが、あっという間に一月が過ぎてしまい早いもので83歳に。長い道のりでありますが何としても第三次で勝利しなければ。精いっぱい闘っていくのでこれからも勝利するまで後押ししていただきたい」などとのべた。

石川早智子さん

狭山事件の詳細を紹介した「冤罪狭山事件」HPを立ち上げてから22年を迎え、全国の多くの方が人権侵害を無くそうと世代をつないで闘っている。今年は石川がえん罪におとしいれられて59年が経つ。

 

東住吉事件のえん罪被害者で再審無罪を勝ち取り国賠で闘っている青木惠子さんからお手紙が届き、温かい気持ちで胸が熱い思いでいっぱいになった。青木さんの国賠裁判では大阪地裁裁判長はえん罪を認め和解をすすめるよう勧告したが国、検察は拒否したと聞いた。えん罪を作ったことの反省、謝罪もないことに憤りを感じる。狭山事件でも弁護団が出した新証拠に対して国費を使って反論の鑑定をだしている。証拠開示に応じようとしない。検察は時間お金がかかろうが関係ない。新しい、無実を明らかにする証拠が出てきたら再審を開始する基本が無視されている。再審法の鑑定が必要。いよいよ大詰めに来ている狭山再審闘争に一層のご支援をお願いしたい。


東京新聞のコラムで紹介されました。      2022年2月1日

 東京新聞の鎌田慧さんの「本音のコラム」欄で狭山事件が紹介されました。
 無実の罪で逮捕されて58年、仮出獄から27年が経ち石川一雄さんは83歳になりました。

 一日も早く無実を勝ち取るために支援を続けていきたいと思います。
 

 


寺尾判決は脆弱な証拠の固まり   第2回連続講座 2022/1/29

「新証拠」の核心に迫る 第二回狭山事件連続学習会が1月29日にHRCビル大ホールでひらかれリモートを含め支援者ら約50人が参加した。「寺尾判決は完全に崩れた」をテーマに狭山弁護団事務局長の中北龍太郎弁護士が講演をおこない参加者は石川さんの無実を確信した。

   主催者あいさつを府民共闘の藤本初雄事務局次長がおこない「狭山事件の根底にあるのは部落差別であり、新証拠をもとに再学習していきたい」などとのべた。

    石川さんは密室の取り調べによってウソの自白が作られたが犯人しか知りえない秘密の暴露にあたるとされてきた。三者協議で開示された証拠をもとに弁護団はこれまで246点の新証拠を提出し、石川さんの無実を証明している。

 中北弁護士は取り調べの録音テープが開示されたことが大きいとし、裁判で警察官が取り調べの様子を語った時に石川さんはすらすらと自白していたと証言していたが、録音テープには石川さんが事件を知らず、警察に誘導されて自白するなど不自然な点が多く寺尾判決で有罪の根拠とされた状況証拠などの矛盾点について解説した。(詳細は下記に)

 狭山闘争への緊急カンパを呼び掛け9103円のカンパが集まった。閉会あいさつを村井康利書記長がおこなった。

 

 第3回連続講座は2月23日13時30分からエル大阪でひらかれる。講演内容は「99.9%別人の筆跡・福江鑑定」・竹下政行弁護士、「石川さんに脅迫状は書けなかった・森実鑑定」・七堂眞紀弁護士を予定している。リモートの参加も呼び掛けている。申し込みは大阪府連まで。


中北龍太郎弁護士が講演

自白の誘導は明らか

 

  寺尾判決は自白を離れて客観的に石川さんと犯行の結びつきを示す7つの状況証拠と自白をもとに捜査した結果、判明した事実が存在することが犯人しか知りえない秘密の暴露にあたるなどとし有罪の証拠としたが不自然な点が多い。

 石川さんの指紋が一つも出なかったことに対して寺尾判決は「指紋が検出されなかったからといって犯人でないと一概にいえない」とした。自白通り脅迫状を届けると指紋がつくことを鑑定で証明してきた。

 確定判決に対して合理的な疑いをもたらす新証拠を出せば明白性が認められ再審開始が決定される。寺尾判決は脆弱な証拠の固まりといえる。取り調べ録音テープが重要といえる。

 石川さんは部落差別によって学校へ通えず文字が書けなかった。取り調べテープでは石川さんがひらがなさえも満足に書けず警官が一字一字指導していた。漫画雑誌を見て脅迫状を書いたという自白も信用できない。石川さんの文字はすべて同じ筆圧で書かれていたが脅迫状の筆跡は強弱、抑揚がある。筆跡はこれまで多くの鑑定で証明してきた。

 石川さん宅で押収した兄の地下足袋と犯人の足跡が一致するとされた。兄の地下足袋は形状が鮮明に残っているが現場足跡は不鮮明。足跡の立体分析鑑定で全く異なることを証明している。

 犯人を埋めるためのスコップは石川さんが以前働いた養豚場のものとされた。当時700軒の養豚場が周辺にあり、断定するには土の成分比較が必要なのに検査しない。警察は養豚場関係者20数人に的を絞り差別調査をおこない石川さんを逮捕するための予断捜査の足がかりになっている。

 

 

 

 血液型鑑定は医師ではなく鑑識課員がおこない通常、おもて試験と裏試験で判断するがおもて試験しか検査せず、血清の疑集素価は256倍と定められていたが8倍で検査するなどずさんな方法だった。

 被害者を後ろ手に縛るのに用いた手ぬぐいは市内米穀店が配布し事件直後に家族が取り寄せたとしたが開示された捜査報告書で警察の主張はちがっていた。

 2回にわたる家宅捜索で見つからなかった万年筆が3回目の家宅捜索で発見された。下山第二鑑定によって発見万年筆は被害者のものではないことを科学的に証明したがそれに対して検察官は水で洗ったなどと主張している。

 被害者の鞄は石川さんが作成した図面をもとに発見された。開示された図面には捨てた場所が書かれていない。被害者の腕時計発見経過も警察が2日間捜索した場所から見つかっている。

被害者宅へ向かう時に三輪車に追い越されたという自白が有罪の根拠とされたが、開示された捜査報告書では警察が既に把握していた。

 脅迫状を被害者宅に届けたのは午後7時半で車が駐車していたと証言していた。開示された書類には駐車時間は午後5時頃で供述を変遷させていた。秘密の暴露がくずれている。

 警察は殺害方法の鑑定を手で締めたと作成。その後警察の誘導で思い通りの自白が作られていったことが録音テープからわかった。

 殺害現場近くで農作業をしていたOさんは4時までの時間に人の声を聞いたと証言したが殺害時間は4時20分と時間帯が異なる。再審決定では人の声悲鳴が聞こえたと歪曲していた。

 殺害方法、脅迫状を届けるまでの経緯についてすらすらと自白したと警察は証言したが取り調べ録音テープでは全く異なっている。

 

 有罪証拠は警察の鑑定書、つくられた秘密の暴露、自白の強要誘導によって成り立っている。開示証拠、新鑑定により寺尾判決はことごとく崩れている。



全証拠の開示を 第49回三者協議    2022/1/27

2022年1月27日、東京高裁で第49回三者協議がひらかれました。

 (1)スコップ、タオルについての証拠開示の攻防

 スコップ関連の証拠開示請求について、前回の三者協議において、検察官は、警察にあったものも含めて高検に取り寄せてあり、再度調べたが、弁護団が求めるものは見当たらないと回答しました。弁護団は、この回答に納得できないとして、10月19日付けで意見書および求釈明書を提出し、検察官が「不見当」と回答するにあたって、東京高検以外に証拠を探した場所を明らかにすること、2012年に検察官が開示した捜査書類など証拠についても、どこに存在した証拠なのか明らかにすること、などを回答するよう求めました。

しかし、検察官は、これに対して、10月25日付けで、意見書を提出し、埼玉県警にも漏れがないか確認しており、狭山事件についての記録はすべて東京高検に保管されているとして、これ以上証拠を探す必要はないと回答してきました。

弁護団は、2022年1月18日に、さらに意見書を提出し、これまでも、いったん不見当とする回答していたが、その後開示された例があることなどを指摘し、スコップ付着物の鑑定をした県警鑑識課の星野技師を検察官が検察庁において聴取した際の報告書などの開示を求めました。

スコップについて問題になっているのは、有罪判決が本件スコップを死体を埋めるのに使われたものとする根拠とした星野鑑定が、死体が埋められていた場所の土ではなく、付近に穴を掘って、そこの土と比較し、類似する土があったとしているからです。別の場所に類似する土があったからといって、スコップが死体を埋めるために使われたものという根拠にはなりません。有罪判決に合理的疑いが生じる可能性があるからこそ、星野鑑定が土を採取した場所の特定や経緯について証拠を開示するよう求めているのです。

また、弁護団は、1月18日付けで、有罪の根拠の一つとされたタオルに関する証拠開示勧告申立書を提出しました。狭山事件においては、被害者の死体は、タオルで目隠しされており、このタオルは東京の食品会社が関連する会社に贈答品として配ったものでした。配られた先の一つに、石川さんがかつて働いていた東鳩製菓があり、野球大会の参加者などに配られたという東鳩の工場関係者の証言を根拠として、野球チームに入っていた石川さんは本件のタオルを入手可能だったとして、有罪の根拠とされたものです。

しかし、石川さんが東鳩製菓に勤めていたのは、1958年3月から1961年9月までの3年半ぐらいです。その間におこなわれた野球大会でこのタオルが賞品で配られ、石川さんが野球大会に参加し、タオルを入手したなどという確たる根拠は何もありません。この有罪判決の認定は、きわめて弱いものと言わざるをえません。また、このタオルの使い方について、自白は不自然に変遷しており、石川さんの自白が体験したことを述べた真実の自白ではないことを示しています。

タオルは被害者の遺体についていたものですから、警察が事件直後から、同種のタオルの配付先などについて、捜査を進めたことは間違いありません。弁護団は、食品会社が、本件と同種タオルをどこに、どれだけ配布したのかについての記録や捜査資料、東鳩製菓の贈答品について保管や各工場への配付についての帳簿等の記録など4点の証拠開示を求めました。しかし、検察官は、1月25日付けで、タオルについての証拠開示に応じる必要はないとする意見書を提出しました。検察官の対応はきわめて不誠実と言わねばなりません。

 

(2)第49回三者協議(1月27日)

 2022年1月27日、東京高裁で第49回三者協議がひらかれました。東京高裁第4刑事部の大野勝則裁判長と担当裁判官、東京高等検察庁の担当検察官、弁護団からは、中山主任弁護人、中北事務局長、青木、竹下、小野、高橋、河村、平岡、小島、指宿、山本の各弁護士が出席しました。

前記の通り、弁護団が求めたスコップ、タオルについての証拠開示について、検察官は、いずれも開示の必要性がないとする意見書を1月25日付けで出してきました。弁護団は、協議の場で、検察官の意見に反論するとともに、開示を求めている証拠は客観的な資料(鑑定に関わる報告書や捜査資料)であり開示すべきものと述べ、証拠開示の必要性をふくめた補充の書面を今後提出するとしました。

弁護団は、現在、万年筆(インク)、殺害方法に関する検察官意見書への反論を作成中であり、自白についての新証拠とあわせて今後提出し、それをふまえて鑑定人尋問を請求することにしています。

次回の三者協議は4月下旬におこなわれることになりました。今年5月24日には東京・日比谷野音での市民集会が開催される予定です。

あらたな変異株の感染急拡大を受けて、石川一雄さん、早智子さんは、感染予防と体調管理に一層気をつけて、元気で生きる闘いを続けています。ひきつづき、わたしたちも、感染防止を徹底しつつ、東京高裁が、鑑定人尋問をおこない、狭山事件の再審を開始するよう求める世論を大きくしていきましょう。


再審開始へ2022年は正念場 石川さんがメッセージ

 

今年こそ再審開始を勝ち取るぞという期待感を強く秘めて自分なりに精力的にとりくんで参りましたが、望みも絶たれ、溜息まじりで新しい年をこれまで何度迎えたことか、指折り数えるといやになってしまうほど長い年月でありましたが、今年は弁護団も鑑定人尋問、証人調べの請求をすることにしています。私も、再審開始のためには事実調べが不可欠でありますから、全力で訴え活動に邁進して参る決意をしております。

一昨年、昨年と新型コロナウィルスが猛威を(ふる)っていた関係で、私自身も集会等への参加を自粛せざるをえませんでしたが、支援者皆様にはその間も、決して闘いを止めないと、創意工夫した闘いが続けられていたことに、元気も勇気も希望も頂きました。

改めまして新年おめでとうございます。

この間、私自身が大いに疑問を持ち、納得できないのは、裁判における裁判官の自由心証主義であります。物事を判断するのに、恣意的に自由心証主義を振りかざされては、被疑者、被告人にとって、たまったものではありません。偏見や、思い込み、警察、検察、先輩裁判官への忖度(そんたく)等あってはなりません。

憲法には「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、憲法及び法律のみに拘束される」とあります。

裁判官は証拠に基づいて判断されるべきでありますが、その証拠も、検察が自分たちに都合のいい証拠だけを出し、都合の悪い証拠は隠されるということがあるならば判断は間違ってしまいます。このような検察の証拠隠し、不当、不正義に、えん罪者は苦しみ、長い裁判となっています。早急な再審法改正が求められます。

私の人生のこの58年間は,正に櫛風沐雨(しっぷうもくう)でありましたし、不幸極みの虐げ鞭でありました。再審無罪を実現しなければ、この先も、先行き不透明な不安と苦しみを払拭できないまま、月日を過ごすことになります。

振り返れば、私を犯人にデッチ上げ、辛苦の拘禁生活を余儀なくした三人の取調官を断じて許せないと仮出獄の当初まで不倶戴天(ふぐたいてん)の敵との強い意志を持ち、復讐しようと考えていたのは事実であります。しかし、そうなれば、支援者皆様方が何のために社会復帰に尽力してくださったのか、再び刑務所に戻されてしまうことを考え、思いとどまったのでした。

自白を強要され、32年間も無実の罪で受刑生活を強いられていたことは無念であり、承服できませんが、今は兎に角(とにかく)、裁判官に私の無実を知ってもらうことが先決と自分に言い聞かせ、訴え活動に全力で取り組んで参る所存であります。3次再審請求では、弁護団のご尽力によって、福江鑑定、下山第2鑑定等、科学的な新証拠が多数、裁判所に提出されております。全国の支援者皆様方も裁判官に対し、鑑定人尋問、証拠調べ、再審開始を行うよう働きかけて頂きたく心から願っております。

私は常々申し上げているように、今の第3次再審裁判以外にないと思っており、絶対に第3次再審で勝利するとの強い信念の下で、一人でも多くの方々に狭山事件、私の無実をご理解して頂くべく全精力を傾けて闘って参りますので、皆様方も最大限のご協力を下さいますよう年頭に当たり私の決意とさらなるお力添えをお願い申し上げて失礼いたします。

2022年1月  石川 一雄

全国の狭山支援者各位

 

櫛風沐雨(しっぷうもくう)~風雨にさらされながら、苦労して働くこと。世の中のさまざまな辛苦にさらされることのたとえ。

 

 

「不倶戴天(ふぐたいてん)~同じ世界で一緒にいられない、どうしても生かしてはおけないと思うほどに深く恨むこと。


石川さんは無実 第一回狭山事件連続学習会 2021/12/4

 「新証拠」の核心に迫る 狭山事件連続講座の第一回が12月4日にHRCビルでひらかれた。新型コロナ感染予防のため、リモートでも参加を呼びかけ会場と合わせて100人以上が参加した。

 狭山事件は第三次再審で2009年にはじめて裁判所、検察、弁護士による三者協議が始まり、裁判長の証拠開示を勧告によって開示された191点の証拠をもとに弁護団はこれまで246点の新証拠を提出し石川一雄さんの無実を科学的に証明してきた。検察官の反論を出し切ったうえで来年には事実調べを求めていく。連続講座では58年前に密室の取り調べによってウソの自白に追い込まれた経過や最新の新証拠などについて4回にわたり学習する。府連、府民共闘の主催。

 

 主催者を代表して府連の赤井隆史委員長があいさつ。事件当時の新聞各紙には、部落青年ならやりかねないといった部落差別、偏見に満ちた内容で事件から長い年月が経過した今も部落地名復刻版裁判のように出身者を暴く行為は起きている。狭山事件を全国的に呼び掛けたのは大阪の運動であり、その中心は共闘の仲間でもあった。大阪から世論を構築する場になる学習会にしたいなどとのべた。

 第一回目は「部落差別が生んだえん罪事件」をテーマに部落解放同盟中央本部の安田聡さんが講演をおこなった。安田さんは狭山事件発生当時の社会状況やマスコミ報道など部落差別によって石川さんが犯人とされた経緯や、寺尾判決で有罪の根拠とした7つの客観的証拠について無実を証明する新証拠などについて解説した。

 閉会挨拶を府民共闘会議の中野勝利議長がおこない「一日も早く再審開始に向けて署名活動を含めた取り組みを展開していきたい」などとのべた。

 講演内容の一部を紹介します。

 

 狭山事件は1963年5月1日に埼玉県狭山市で起きた女子高校生強盗誘拐殺人事件で警察は身代金引き渡し場所で犯人を取り逃がしその後死体が発見された。

警察は事件の数か月前にも児童誘拐殺人事件で同様の失態を起こしたことから、狭山事件は国会で追及され警察への非難の声が高まり警察庁長官が辞任するなど追い詰められていた。

 事件後、被害者の家で働いていた男性が自殺するなど不自然な点があったが埼玉県警では生きた犯人を捕まえろと指示が出され死体発見現場の近くの駅の裏にある被差別部落に見込み捜査がかけられていく。

 脅迫状は事件当日の5月1日午後7時頃に被害者宅で家族が食事していた土間のガラス戸に挟まっていた。脅迫状には当て字があるが誤字がない。石川さんは部落差別によって小学校に通えず、当時は文字を書けなかった。

 5月11日に死体発見現場近くでスコップが発見され、翌日に持ち主がわかったと警察が発表した。石川さんと同じ被差別部落のIさんの養豚場から盗まれたものとされたがその養豚場のスコップの鑑定はおこなっていない。47年ぶりに開示された5月21日づけ捜査報告書には「この養豚場でかつて働いていた石川一雄なら養豚場からスコップを盗むことができる」と書かれて逮捕前から狙われていた。

 石川さんが別件逮捕された5月23日の新聞には「環境のゆがみが生んだ犯罪」などとマスコミ報道が差別に加担しえん罪が作られていった。

 1969年の全国大会で石川さんの両親が初めて訴えたことにより大阪の青年が「一人は万人のために万人は一人のために」をスローガンに無実の部落青年が死刑にされようとしていると全国行進をおこない狭山闘争にとりくみはじめた。

 74年の東京高裁で寺尾正二裁判長が無期懲役判決を下し、77年に最高裁が上告を棄却。再審請求は,確定判決に対して無罪を言い渡すべき新たな証拠が発見された場合などに行うことができ、75年には最高裁判例で「有罪証拠に合理的な疑いが生じる場合でいい」と判断している。

 三者協議で証拠開示が実現し門野裁判長退官後も検察に開示を促している。新証拠により寺尾判決が挙げた有罪証拠がことごとく崩れている。

 自白にそって被害者の持ち物が発見されたとするが万年筆は二度の家宅捜索で見つからなかった後に発見された。寺尾判決では「鴨居の上は背の低い人には見えにくく家宅捜索で見落とした3回目で見つかったのは不自然ではない」という。

その後、家宅捜索をした警察官に会うと身長が178センチも高く判決には不自然な点が多くある。

 石川さんの顔なじみの関巡査の報告書が47年ぶりに開示され、「石川さんが死体はどうなっていたか教えてくれと私に聞きました」と書かれていた。

 典型的な冤罪の事例で犯人の動きを説明できないことがはっきり表れている。

 三者協議では取り調べの録音テープが重要だと常に裁判長に訴えている。

 自白するまでの取り調べ録音テープが2010年に開示され3人の警察官が入れ代わり立ち代わり「お前が書いたことは間違いない」などと詰め寄り何度も自白を強要していた。

 裁判で取調官の証人尋問では「犯行をすらすらと自白した」と証言したがそういう場面は全くない。自白直前の場面を再現したDVDをみれば自白の強要だということがわかる。

 石川さんは今も見えない手錠がかかっているからと両親のお墓に手を合わせられずにいる。

 

 来年は鑑定人尋問、再来年は再審開始をめざし再審で無実を勝ち取りたい。


刑事訴訟法435条を適用し早期に再審開始を  2021/11

 部落解放研究第54回全国研究集会が2021年11月9日から30日の期間に初めてのオンライン開催でひらかれ再審に向けて石川一雄さん、石川早智子さんがアピールをおこなったので紹介します。

石川一雄さんは「無実を確信できる証拠が開示され、特に取り調べ録音テープには事件のことがわからず警察官に教えてくださいと言っていた様子が明らかになっている。刑事訴訟法第435条6項には新しい証拠が発見されると証人調べを申請することができる。それを適用し何としても法廷の場で明らかにして一日も早くえん罪が晴れるように今後も支援をお願いしたい」などとのべた。石川早智子さんは「証拠開示によって事件から47年ぶりに石川一雄が逮捕された当日に書いた上申書が開示された。その筆跡をみれば(脅迫状とちがうことから)石川が犯人でないことは明らかであり今度こそという思いでいる。元気なうちに何としても再審開始を勝ち取りたい」などとのべた。


全国各地へ無実を訴えていきたい   狭山市民集会2021/10

 狭山事件の再審を求める市民集会が2021年10月29日に東京の日比谷野外音楽堂でひらかれた。新型コロナ感染拡大に伴い活動が自粛され2年ぶりの開催となった。

 1974年10月31日、東京高裁の寺尾正二裁判長は石川一雄さんに無期懲役判決を下した。第三次再審請求で弁護団が提出して新証拠によって寺尾判決は完全に崩れている。早急に証拠開示事実調べをおこなうように来年には証人申請を行う予定となっている。石川一雄さんはあいさつで「全国各地を回り支援のお願いをすべきだったが糖尿病の持病を抱えているので感染予防のために1年10か月間家に閉じこもり、体を鍛えて筋骨隆々になっている。真実を明らかにするために鑑定人尋問、証人尋問をしていただきたい。ワクチンを打ったので元気な姿で無罪を勝ち取るために日本全国を回りたい」とのべた。石川早智子さんは各地で創意工夫した闘いを続けていただいたことにたいするお礼をのべ、「(31日には衆議院選挙がひらかれるが)石川一雄はいまだに選挙権を奪われたまま。万年筆は偽物だと証明する科学的な下山第二鑑定にたいして検察は事前に水洗いをしたからと(不可解な)回答をしたのは検察を追い込んでいるといえる。裁判所へ証人人物をおこなわせることが最大の闘いといえる。狭山事件は権力犯罪、差別裁判の闘い」などとのべ、さらなる支援を呼び掛けた。

 集会終了後、デモをおこない、石川さんの無実を訴えた。

 


大阪で12月から連続学習会も

 集会前に高検高裁要請行動に向けて日比谷健康広場でひらかれた集会では大阪のとりくみを紹介した。



全証拠を開示すれば無実は明らか 石川さんメッセージ2021/10

寺尾不当判決から10月31日で47年を迎え、10月29日には2年ぶりに日比谷野外音楽堂で市民集会が開催されます。石川一雄さんが全国の支援者へメッセージを書きましたので紹介します。

***メッセージ***
 寺尾不当判決糾弾集会を何年続ければ再審への道が拓けられるのか先の見通しも立てられない中、今年も寺尾不当判決から47年を迎え、全国各地の支援者皆様方が集会に決起くださったものと思われ、何時も乍ら感謝の念で一杯です。

東京高裁寺尾裁判長が憲法と法律を遵守していたならば、私自身を含め、支援者各位にもこのように長い年月、ご迷惑、ご心配をおかけせずに済んだ筈なのに、荒唐無稽な論法を用いて不当極まりない有罪の判断を下したのは断じて許せないことであり、それ故に、今日に至っても糾弾集会が継続される結果になっている訳でありますが、その後の裁判も許しがたい認定をしていたことは、周知の通りです。

言及する迄もなく、裁判とは予断を抱くことなく、十分に司法的抑制の理念に立って,事実を虚心に、真摯に精査され、大局的見地に立って検討される限り、最早再審開始以外の結論は出し得ないと思います。下山第2鑑定が出され、私自身も今度こそとの思いがあります。裁判官に対し、鑑定人尋問の必要性を強く求め、訴えていきたい。正に下山第2鑑定は寺尾判決が有罪の決め手とした万年筆に関して、警察に因る証拠のデッチ上げ、捏造そのものである事を明らかにしました。

これまでの有罪判決や棄却決定が主観的な心証を客観的な証拠の上に置くことこそ予断がその根本にあってみれば、その誤りも厳しく指摘し、それを是正させる闘いも不可欠です。第3次再審請求を担当する裁判官には予断を持つことなく、公正・公平に審理をすすめてもらいたいと切に願います。私自身も、如何なる時でも司法に幻想を抱くことなく、常に理路整然と闘って参る所存であることは言うまでもありません。私は、第3次再審闘争の中で、今度こそ、冤罪の真相に蓋をすることは断じて許さないという姿勢で臨む決意であります。また、刑事再審法改正についても、特に再審における証拠開示の保障や、検察官上訴の禁止等、変えさせていく闘いも急務です。

何時だったか失念いたしましたが、「裁判に勝利するには、いい裁判官にあたればいいね」と話された方に、私は迂闊にも「そう願いたいものです」と藁をもつかむ思いからお答えしましたが、裁判官に当たりはずれがあっていいわけではなく、法に従うことが求められるのであり、のちに自分の軽はずみな言葉を反省したものでした。何れにせよ、現在裁判所に提出されている新証拠の検討は元より、隠されている全証拠の開示と同時にそれらを正しく判断され、刑事訴訟法第4356号のいう新しい証拠が発見された時は、再審開始が法にうたわれているので、この法律に則って速やかに再審を開始されるよう裁判所に働きかけて頂きたく切に願っています。

昨年からの新型コロナ感染拡大の中で、この間、各地の集会も、昨年2回の狭山中央集会、また今年5月の中央集会も中止を余儀なくされました。まだまだ油断できませんが、全国の支援者の皆さんもひきつづき感染防止に留意され、ご支援頂きますようお願いいたします。今回は中央集会も開催され、闘いの中でまた皆様と元気に出会えますことに心から感謝し、私の挨拶と決意に変えさせていただきます。

2021年10月  寺尾不当判決47カ年糾弾!再審要求集会 参加者ご一同様   石川 一雄


三者協議で246点の新証拠 早急に再審開始を

2021年10月7日、東京高裁で第48回三者協議がひらかれた。弁護団が6月30日に出した検察官意見書(万年筆関連)についての求釈明書に対して、検察官は10月4日に回答を提出。弁護団は、これもふくめて、万年筆に関する検察官意見書に対する反論、反証を提出することにしています。(これまでの三者協議はこちらへ)

また、検察官は10月6日に、福江意見書について求釈明書を提出してきました。弁護団は、三者協議の場で、この検察官の求釈明がまったく的外れで、不当なものであると述べて、反論の意見書を提出することを伝えました。

協議では、スコップ関連の証拠開示について、「検察官は、警察にあったものも含めて高検に取り寄せてあり、再度調べたが、弁護団が求めるものは見当たらない」と回答したが弁護団は、この回答に納得できないとして何らかの意見を出すことにしている。

弁護団は、今後、万年筆、殺害方法に関する検察官への反論、自白についての新証拠を提出し、それをふまえて鑑定人尋問を請求する。次回の三者協議は2022年1月下旬におこなわれる。

 弁護団は、三者協議に先立ち、10月4日に、筆跡に関する検察官意見書に対する反論の補充書と新証拠4点を提出し新証拠は246点になった。検察官は3月に弁護団が提出した筆跡についての新証拠すべてに対して再審理由とはいえないと主張する意見書を提出した。弁護団はこの誤りを明らかにする新証拠と補充書を提出した。

新証拠の1つは、アメリカの刑事手続法についての我が国有数の研究者である笹倉香奈・甲南大学教授による意見書。アメリカにおいても従来、筆跡鑑定がおこなわれて裁判の証拠とされてきたが、1980年代末に、筆跡検査がどこまで有効なのかを実証研究した論文をきっかけに、こうした従来の形態比較による筆跡鑑定の科学性に疑問が指摘されるようになったこと、実際に筆跡検査が証拠として採用されなかった裁判例が報告されている。

一方、狭山事件で有罪判決が証拠の主軸とした3つの筆跡鑑定は、いずれも人が字の形を観察して類似性や相違性を見て同筆かどうかを判定する、いわゆる伝統的筆跡鑑定で警察組織の鑑定人ばかりが鑑定していた。

検察官の意見書は、ことあるごとに、弁護側の筆跡鑑定よりも警察による3鑑定の方が専門家によるもので信頼性が高いと、なんの具体的根拠もなく主張しています。しかし、笹倉意見書が報告するアメリカにおける筆跡鑑定の科学性をめぐる研究や判例、我が国における判例や警察で鑑定してきた人の指摘にも反する、まったく間違った意見です。

新証拠の2つめは、福江鑑定人による意見書です。

検察官意見書は、福江鑑定について、同じ人でも書くときの書字環境によって筆跡に違いが生じることを考慮していないとしていますが、まったく見当違いの批判です。

福江鑑定は、同じ人でも書くたびに字形が違う(書きムラがある)ことを前提として、検査資料の筆跡を重ね合わせたときのズレ量をコンピュータを使って計測し、そのズレ量(筆跡の相違度)が、同一人の書きムラなのか、別人の筆跡の違いなのかを統計的に判定している。検察官意見書は、福江鑑定の手法についてのケチつけのような批判をしていますが、すべて間違っているか的外れなものであることを福江意見書、補充書は指摘しています。 

新証拠の3つめは、第3次再審で、石川さんの読み書き能力を鑑定した森実・大阪教育大学名誉教授による補足鑑定書です。

検察官意見書は、石川さんが事件発生前に勤めていた工場で提出した早退届や通勤証明交付願において筆勢・筆速のある漢字を書いているとして、もともと脅迫状を書ける書字能力があったと主張しています。

これに対して、森補足鑑定は、それら書類に書かれている漢字は名前と住所、駅名などのわずかな文字であって、(本件前に)「筆勢・筆速のある漢字」を数文字書いていただけでは、読み書き能力があったことの証拠にはならないと指摘。また、石川さんが書いたものを見ていくと一貫して名前は漢字で書いています(しかし「石川一夫」と間違って書いており、「石川一雄」と正しく書けるようになったのは浦和拘置所に移って以降)が、名前以外はほとんどひらがなであり、ひらがなも含めて誤字や誤用がたくさん見られます。名前は書き慣れているからであって、名前を筆勢・筆速のある漢字で書いていたから脅迫状を書ける書字能力があったなどとは言えない。

検察官があげる事件前の文書8件には文書1件に出てくる漢字は全部で66文字(つまり文書1件につき漢字8文字)ですが、その約4割が誤字です。一方、脅迫状には漢字が67文字ありますが、誤字はまったくありません。(当て字はありますが)森補足鑑定は、石川さんの当時の読み書き能力は小学校1年生終了以前の段階と見られ、脅迫状を書くことはできなかったと考えられるとしています。


85歳までに無罪を勝ち取りたい。来春に証人調べを申請

全国狭山活動者会議・狭山住民の会全国交流会が9月15日にHRCビルでひらかれリモート参加者を含め約60人が参加した。

2010年の三者協議ではじめて証拠が開示されこれまで191点の証拠が開示されてきた。弁護団はそれをもとに242点の新証拠を提出し石川さんの無実を訴えている。

全国水平社創立100周年を迎える来春に証人調べの申請をおこなう。再審の扉を開かせるために各地で再学習や高検高裁への要請はがきを呼び掛けた。

石川さんと同じくえん罪被害者の桜井昌司さんは布川事件の再審で無罪を勝ち取り、国と県に損害賠償を求めた高裁判決が確定した。判決には「虚偽の事実を告げて自白を強要した」などと指摘して検察、警察の取り調べの違法性を認定した。密室の取り調べで強要されたウソの「自白」がなければ「逮捕や起訴はされなかった」と判断している。

活動者会議では石川一雄さん、石川早智子さんからビデオメッセージが寄せられた。

石川一雄さんは布川事件判決について「布川事件の勝利は当然の権利を得たわけであり当たり前のことで桜井さんは自分の権利を取り戻した」とのべ、桜井さんと同じくウソ発見器がかけられ、警察から「殺したと出ている自白しろ」と言われたが一切応じず無実を訴え続けたという。

しかし、6月17日に保釈が認められ狭山署の留置場を出たところであらためて「強盗、強姦、殺人、死体遺棄」の容疑で再逮捕されそのまま川越分室に移送さて徹底した取り調べが続いた。無実であるにも関わらず、警察官から「お前をここで殺しても逃げられたと言えば通用するんだと」言われ、石川さんは「当時の私は信じ込んでしまいびくびくしていた。取り調べは本当にキツイ。取り調べを受けるときに警察官全員が夕方5時になると腕時計を外し夜は何時まで取り調べを受けたか分からない。翌朝には朝早くから取り調べが続き、眠たくなりうとうとすると頭を小突かれた」などとのべた。

自白したことに対して「警察に騙されたといっても自分が犯人だと言ってしまったことに対しては被害者にも支援してくださる方にも申し訳なかった。えん罪であることを裁判所で必ず晴らしたい。昔は二十歳が四回くるまでに無実を晴らしたいと言っていたが、今は85歳までに無罪を勝ち取りたい。えん罪が晴れるまで後押しをしていただきたい」とのべ、勝利に向けてさらなる支援を呼び掛けた。

石川早智子さんは、「新型コロナ感染拡大のなかで各地で創意工夫した闘いを続けられていることに感謝したい」と支援者にお礼のメッセージをのべたあと「布川事件は狭山事件と同じく自白の強要、嘘発見器をかけられるなど似ている点が多くあった。勝訴判決が出されたときに桜井さんにお祝いのメールを送るとすぐに「次は狭山だ。がんばろう」という返事が届いた。

桜井さんは記者会見で「勝利するまで54年かかった。心が軽くなったという言葉を聞き石川にもその思いを味合わせてあげたい。えん罪で苦しんでいる多くの仲間は私と同じ体験をすることがあってはならないといっている。集会、現地調査が厳しい闘いになるが、鑑定人尋問、再審ができるよう支援をお願いしたい」などとのべた。

狭山事件の再審を求める市民集会を10月29日(金)午後1時から日比谷野外音楽堂で開催される。例年、規模は4000人を対象にしていたがコロナ感染予防のために1300人を対象にしている。デモについても縮小して開催する予定。

中北龍太郎弁護士が「第三次再審請求心の経過、証拠構造と崩壊、到達点、展望」について報告。石川さんが有罪の根拠とされたのは7つの状況証拠と自白有罪証拠からなりたっているが、無実を証明するまでにこれまで242点の新証拠を提出してきた。証拠について石川さんの無実を証明できる点について説明した。


布川事件で国、県に賠償命令!次は石川さんの無実を勝ち取ろう

1967年に茨城県利根町布川で起きた「布川事件」で強盗殺人罪に問われ、2011年に再審無罪が確定した桜井昌司さん(74)が、国と県に損害賠償を求めた国家賠償請求訴訟の控訴審判決で、東京高裁の村上正敏裁判長は2021年8月27日、警察官に加え、捜査段階の検察官の取り調べについても「虚偽の事実を述べ、自白を強要させており違法だ」と認め、国と県に計約7400万円の支払いを命じました。 

桜井さんは20歳の時に知人の杉山卓男さんとともに逮捕され密室の取り調べの中でウソの自白に追い込まれ、その後無罪を訴え続けましたが29年間収監されました。仮釈放後64歳の時に無実が認められました。2020年にガンの余命宣告を受けましたが、その後も精力的に活動を進め、今年5月にはビデオメッセージを寄せていただいています。毎年おこなわれる狭山中央集会にもえん罪被害者の仲間とともに駆け付けていただき、「石川さんの無実は確実だ」と応援メッセージを寄せてくれています。

 

桜井さんの次は、石川さんです。狭山事件の再審開始を実現させて無実を勝ち取るためにこれからも粘り強く取り組んでいきたいと思います。(写真は2018年に狭山事件の現地調査をおこなったあとに撮影しました。左から菅家利和さん、石川一雄さん、石川早智子さん、桜井昌司さん)


埼玉県で狭山街宣活動

 部落解放同盟大阪府連合会が作成した狭山チラシが今回も埼玉県で活用され、多くの市民に配布されました。以前、依頼を受けた「石川一雄さんを支える埼玉東部市民の会」の方からの紹介で「北埼地区狭山裁判を支援する市民の会」の方からチラシの依頼を受けました。

 同会では浦和地裁が石川さんに「死刑判決」を下した3月11日が福島第1原発事故が起きた日でもあることから、あらゆる差別も冤罪も原発再稼働も許さない、反差別共同闘争の取り組みとしておこなうために狭山スタンディングではなく加須スタンディングとして命名し活動しています。8月11日に加須駅前で街宣活動がおこなわれ、大阪府連が作成した狭山のチラシなどを個包装マスクを挟んで配布行動を展開しました。


石川さんは無実 埼玉で街宣行動

 新型コロナ感染拡大に伴い、大阪では狭山街宣活動ができない状態が続いています。大阪府連ではこの間、石川さんの無実を証明できる新証拠などについて随時ホームページで情報発信をおこなってきました。今回、大阪府連が作成した狭山街宣チラシが埼玉県の「石川一雄さんを支える埼玉東部市民の会」の皆さんによって配布されました。

 狭山街宣チラシを数年前に受け取った「石川一雄さんを支える埼玉東部市民の会」の西田さんから「同じようなチラシを作りたい」と相談を受けたことがきっかけでやりとりを重ね、大阪府連でチラシを作成し埼玉県へ送付しました。
 「石川一雄さんを支える埼玉東部市民の会」では石川一雄さんが不当逮捕された5月23日にあわせて23デーを企画されています。2021年6月23日も南越谷駅前で街宣活動がおこなわれ、1時間の行動で用意した150枚があっと言う間になくなったとのことでした。チラシを受け取った市民の方からも「がんばってください」、「許されないですよね」と声をかけていただいたそうです。市民の会では今後も23デーに合わせてとりくまれる予定です。
 狭山事件を通じてご縁が生まれ、大阪府連のチラシを埼玉県で活用していただき、大変うれしく思っています。

↑大阪府連が作成した「石川一雄さんを支える埼玉東部市民の会」のチラシ



寺尾判決から46年  石川さんが現地調査

 狭山事件で有罪確定判決となっている2審・東京高裁の無期懲役判決(寺尾判決)から46年を迎えた2020年10月31日に石川一雄さんは石川早智子さんとともに狭山現地をおこないました。その様子が「狭山差別裁判第510号」に掲載されているので紹介させていただきます。
 密室の取り調べによって石川さんは警察に騙されてウソの自白を自供しました。その自白に沿って狭山現地や遺体発見現場、スコップ発見現場を歩きました。

 自白の通りにたどるとあらゆるところで矛盾な点が多くあり、石川さんの無実を確信できます。狭山事件の事実調べ、現地調査を実施し、一日も早く再審無罪を求めています。

 石川一雄さんは「判決の前の最終意見陳述の時に寺尾裁判長をしっかり見て訴えたけど、あのとき、寺尾裁判長は目をそらしたように思いました。もう有罪の結論をもっていたんでしょうね」とのべ、判決の日は無罪になると思っていたので判決が出た後に拘置所に帰るときは足が重かった。当時のことを思い出すと悔しいし腹が立ちますねと語りました。

 石川早智子さんは、「東京高裁の大野裁判長には本当に鑑定人尋問をやってほしいと改めて強く思いました。『出会い地点』から『犯行現場』へむかう農道を歩くと高校生の被害者が抵抗もしないでついていったという自白は絶対おかしいと思います」と語りました。
 寺尾判決ではその不自然な経過について「とっさの出来事だったからズルズルとついていったということも考えられる」と不可解な判決を出しています。
 新型コロナの感染が拡大する中、狭山市民集会やあが中止になり、石川一雄さんは感染防止のため人との接触を避け、健康に留意されています。再審の扉をあけるために、要請はがき行動にとりくんでいただきますようお願いします。

※狭山差別裁判の冊子は部落解放同盟中央本部で購入できます。
 連絡先 電話03-6280-3360



一日も早く再審無罪を       貝塚で狭山学習会

 部落解放岸和田貝塚市民共闘会議、狭山学習会

部落解放同盟貝塚支部と部落解放岸和田貝塚市民共闘会議共催の狭山学習会が11月13日に貝塚市立ひと・ふれあいセンターでひらかれ約50人が参加した。
 主催者を代表して貝塚支部の北出新司支部長が開会あいさつで「狭山事件が発生してから57年が経過した。解放同盟として最初にこの事件にかかわったのは当時の青年だった。57年間、大きな課題として取り組んできたが、1日も早く無罪を勝ち取るためにも狭山事件の現状と課題について、学習を深めていきたい。」と語った。
 学習会では「狭山事件・部落差別に基づくえん罪事件」をテーマに府連の貝田歩組織部長を講師に、狭山事件の現状と課題について学習をおこなった。
 狭山事件は1963年5月1日に埼玉県狭山市で女子高生が行方不明になり死体で発見された。警察は付近の被差別部落に見込み捜査を集中し、当時24歳の石川一雄さんを別件逮捕。罪を認めれば10年で出してやると警察に騙され「ウソの自白」を自供させた。
 学習会で貝田さんは、「ウソの自白」をもとに事件当日の足取りを紹介。石川さんを見たという目撃者が一人もいないことや石川さんの指紋が一つも検出されないなどの事実を紹介し「石川さんの無実は明らかであり、2009年から三者協議で190点以上の証拠開示がおこなわれた。重大な証拠の一つでもある万年筆や、被害者と石川さんの筆跡は99.9%違うこと等が、石川さんの無実を証明している。これからは、みなさん市民が一体となった取り組みによる世論構築が重要になってくる。」と訴えた。

重大な証拠の一つでもある万年筆のちがい、筆跡については被害者と石川さんの筆跡が99.9%ちがうことなどがこれまでの証拠開示によって明らかとなった」ことについて学習を深めた。
 南野敬介副支部長より「各組織ごとに要請はがき行動の完遂を」との行動提起の後、部落解放岸和田貝塚市民共闘会議の澤田元博議長より、「先ほどの講演と行動提起でもあったように、第三次狭山差別裁判の闘いは重要な局面を迎えている。狭山要請はがきに取り組み、再審開始に向けた取り組みをさらに強化しなければならない」と閉会あいさつをおこなった。         


 

新型コロナウィルス感染予防にともない、10.31狭山事件の再審を求める市民集会が中止になり、大阪では街宣行動も延期になりました。
 石川さんの再審を求めて何かできないかと考え、鑑定人尋問、再審開始の実現へ向けて東京高等裁判所の大野勝則裁判長あての要請はがきを呼び掛けています。一日も早く再審開始の扉をひらくために支援者の声を裁判長に届けませんか。
 
大阪府連が作成したはがき(右白地)の他に、部落解放墨田区民共闘会議が作成したはがき(左3枚)を紹介させていただきます。
  

 

 はがきの裏面には三者協議によって開示された証拠をもとに石川さんの無実を示す新証拠や石坂啓さんのイラストが紹介されています。
 秋の夜長に再審開始実現へ向けて要請はがきを書いて声を届けませんか。

 

 

要請はがき送付先
●大野裁判長宛て 100-8933 東京都千代田区霞が関1-1-4
東京高等裁判所第4刑事部 裁判長 大野勝則様

 

●東京高等検察庁宛て 100-8904 東京都千代田区霞ヶ関1-1-1 東京高等検察庁 御中

 



今年中に再審の扉を       激励はがきが届きました

 えん罪狭山事件のホームページは、石川さんが有罪とされた一つ一つの証拠をもとに不自然な点を紹介し、狭山事件を知らない若い世代をはじめ多くの人へ石川さんの無実を届けたいという思いでスタートし、これまでのアクセス数は18000件を超えています。
 その思いが通じたのか、先週(2020年6月)、府連事務所に千葉県在住の方から激励のはがきが届きました。そこにはこのサイトを素晴らしいと言っていただき「これを機により多くの人が狭山事件に関心を持ってくれるよう願っています」と書かれていました。
 その後、はがきに書かれたメールアドレスへ連絡をとり、このホームページと解放新聞大阪版に掲載する許可を得ることができ「石川さんの再審の扉をぜひ今年中にも開きたい」、「皆様も、検察の態度には歯がゆい思いでいらっしゃると思いますが私のように、遠くからでも、石川さんや石川さんへの支援活動に声援を送る者がこの社会には多くいること、あたまのすみにとどめて頂ければ幸いです」と言っていただきました。
 小さなことからコツコツととりくんできたことが遠く千葉にまで届いていたことを知り大変感動した次第です。日々更新を重ねていこうと思いました。 
 

再審開始すれば無実は明らか 支援者へチラシを配布

 1963年5月23日に石川一雄さんが不当逮捕されてから今年で57年を迎えます。大阪4か所で予定していた狭山街宣行動と5月22日に予定されていた狭山市民集会は新型コロナウィルスの影響により中止になりました。石川さんからいただいたメッセージの紹介と狭山事件を再学習するためのチラシを作成し支援者へ配布しましたので紹介します。



 2019年5月23日付朝日新聞(東京版)に一面の意見広告に掲載されましたので紹介します。
 

 


石川さんは無実 ビラを作成



 狭山事件の再審開始を求める意見広告が10月28日付の朝日新聞大阪本社版に掲載されました。
 不当判決から44年目の10.31にむけて企画したもので、石川さんと同じ「獄友」、布川事件の桜井昌司さん、足利事件の菅家利和さんのふたりが石川さんとともに狭山事件の現地を歩き、「自白」の矛盾を実感する記事を中心としてじっくり読んでいただければ狭山事件の真実がわかる内容となっています。