腕時計は石川さんが腕時計を捨てたという自白後の7月2日に民間人により発見された。
2020年6月15日付けで弁護団は新証拠を提出し、石川さんが腕時計を捨てたという自白後の7月1日付け捜査報告書には捜索した範囲が図面上に記載されており、腕時計発見場所も捜索の範囲内であることが明らかになった。
また、2011年12月に証拠開示された1963年6月29日付の捜査報告書には、腕時計捜索状況見取り図が添付され自白によって発見される前の6月29日、30日の2日間にわたり腕時計発見場所も捜索されている。捜索時点になかったものが自白によって発見され、民間人が「散歩中にちらっと見えたので発見した」という経過は明らかに不自然であり、腕時計発見経緯は自白の真実性を補強するとはいえない。
発見された「腕時計」のベルトの使用頻度が高いのは先端から4番目の穴。
被害者は先端から3番目の穴を使用していました。この「腕時計」は被害者のものではありません。
ベテラン時計修理士の鑑定を依頼し「腕時計」を観察した結果、発見された「腕時計」のベルト穴6つのうち、最も使用頻度が高いのは先から4番目の穴でした。
被害者は当時、「腕時計」を姉と共有し、被害者は3番目、姉は4番目の穴を使用していたことが姉の証言で明らかになっています。
当初警察が捜していた「腕時計」はシチズン「コニー」(上右)という製品でした。石川さんの「自白」にもとづいて発見されたとされる「腕時計」は「ペット」(上左)という製品で形もちがうことは明らかです。
当時、警察は「単なるミス」と弁解しましたが、重要な証拠をまちがうことなどありえません。
石川さんの「自白」により、事件から50日以上もあとに「腕時計」が発見されました。発見場所は以前に2日にわたって6人の警察官が徹底的に捜索した場所でした。
事件発生直後警察が発表した「特別重要品触」には被害者の所持品の「腕時計」はシチズン「コニー」だと明記されています。しかし発見されたのは「ペット」という製品です。
石川さんの自白によって発見され有罪の有力な証拠とされた3大物証である①被害者の「カバン」②「万年筆」③「腕時計」の発見の経過は、不可解な点が多く謎だらけです。